井上芳雄です。11月29日に東京国際フォーラムで『井上芳雄 by MYSELF スペシャルライブ』の今年2回目を開催しました。ゲストは坂元健児さん、濱田めぐみさん、ジャングルポケットの斉藤慎二さん。笑いを本職としている斉藤さんが加わったこともあり、コントにも挑戦しました。とにかく楽しく、笑って過ごせるコンサートにしたいと思っていたので、僕はこういうことがやりたかったんだと、あらためて気づきがありました。


セットを使ったコントは、斉藤さんのマッサージ店に坂元さんがお客として来るという設定。坂元さんは昨年に続いて2回目のゲストです。昨年はお悩み相談で、マッサージ店に行って職業を聞かれたときに、ミュージカル俳優であることをなかなか打ち明けられないという自分の悩みを打ち明けてくれました。それを受けての今年のコントでした。
言ってみれば内輪受けなのですが、あえてそれを狙っているのは、このライブならでは。僕のラジオ番組発のコンサートで、基本的にリスナーの方たちが見に来てくれるので、番組での会話や昨年のコンサートでの出来事をみんな共有しています。だから「知っていますよね」というのを踏まえて、そこからいろんな事件が展開していって、笑いが起こるという仕掛けです。内輪受けも、とことん突き詰めて壮大な展開になれば、知らない人にも面白く見えるはずだと思っていて、実際そんなふうにできたかなと感じています。
坂元さんは、面白いことがとても好きな方です。だから、「こんなことをやってください」と頼んだら、すごく一生懸命やってくれます。でも、冗談なのか本気なのかよくわからない(笑)。舞台の上では、面白くなるなら真顔でウソをつきかねない一面があり、虚構を利用して笑いをとろうとするところが、すごく独自の世界を持っているなあと思います。

濱田さんは、リスナーの方からのお悩み相談のコーナーで出ていただきました。歌うときは圧倒的な迫力なのに、しゃべり始めたら隣のお姉さんみたいに気さくなのが濱田さん。そのギャップが大きな魅力です。きっと周りから相談されやすいタイプだろうと思い、お願いしました。実際、すごく真剣に応えてくれて、お客さんも濱田さんのまた違った一面を見られたのではないでしょうか。ふだん番組をやっているスタジオの空気感を、コンサート会場でも感じていただけたと思います。濱田さんは、コントも大好き。別のコーナーで『ライオンキング』で演じていたナラのお面をつけて舞台に出てきたときも、なんだかうれしそうでした。