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妻と死別、男はどう生きる ファッションショーで変身

2018/12/19

「ファッションには人間を変える力がある」と話したのは衣装を提供したブルネロインターナショナル(東京・中央)の渡辺義明社長。近場の量販店や通販だけでなく「ひやかしでもいいから、まずは専門店に出向いて実際に試着してほしい」。自分にぴったりのサイズもわかるし、専門家の見方も聞ける。「少し派手めのファッションで思い切って気分を変えること。そして、恥ずかしがらずにお互いに褒め合うことが大切」という。

実際にショーの準備段階で6人の行動に変化があらわれた。衣装合わせの専門店でレンガ色のパンツとジャケットを気に入り、その場で購入した田中嶋さんは「これまでなら、絶対買おうとは思わなかった」。池内さんも「外出する際、何を着ようか考えるようになったし、ショーの準備を始めてからはアパレル専門店をのぞいてみようかなと思うようになった」と語る。

ショーのファッションコーディネーターを務めたTOKIMEKU JAPAN(東京・港)の塩崎良子社長は「最初は帽子やスカーフなど、アクセントをつける小物でスタートしてみては」と助言する。ファッションを自分で選ぶ楽しさがわかってくれば、「次はデビュー。同窓会でもいいし、知人との食事会でもいい。変身した姿で積極的に出かけてみよう。人の目を意識することで、自分を変えられる」という。

長年がん患者向けのメークを手掛け、今回もメークで協力した山崎多賀子さんは「高齢の男性はどうしても肌や髪が乾燥しがちなので、保湿クリームなどを使いたい」。市販の男性化粧品でシミやくすみをかくすこともできるし「加齢で薄くなりがちな眉を描き直せば表情が引き締まり、元気が出る」と話した。ショーでは全員が軽く化粧したが、庄司さんは「初経験だが、我ながら表情が引き締まった」と、うっすらと口紅が残った顔でニヤリ。

歩く姿勢も大事だという。プロのモデル、浜田玲さんは「足元ばかり見ず、笑顔でまっすぐ前を見て」と、かっこよく歩くコツを伝授。「ファッションを変えれば外出が楽しくなり、自然にウオーキングもうまくなる」とも指摘した。

「没イチ」たちの笑顔が印象的な時間となった(12月9日、東京都港区)

専門家は若作りを促しているのではない。塩崎さんがあえて派手なベルサーチを提案したのは「逆に年を重ねた人間の深みや魅力がないと、着こなせないから」。若い世代ではまねできない、年相応の着こなしがある。

ショーが終わった後の控室。80歳を目前にした三橋さんが、今後の人生のささやかな生きがいを見つけたようにつぶやいた。「ベルサーチが似合うにはもう少し年齢を重ねないとな。バリッと着こなせるよう長生きしたいね」

(田辺省二)

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