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妻と死別、男はどう生きる ファッションショーで変身

2018/12/19

ファッションモデルとなった6人は「没イチ会」メンバー。それぞれのプロフィールとこの日の舞台姿を見てみよう。

池内章さん

▼没イチ会のまとめ役でもある池内章さん(64)は「没歴8年」。大手通信会社在職中に派遣されたタイで日本語教師をしていた奥さんに出会い、帰国後に結婚。夫婦でよくタイに旅行したが、2010年に旅行先で奥さんが急性肝炎を発症。わずか1カ月で亡くなった。「55歳で妻に先立たれ、思い描いていた定年後の夢が吹き飛んでしまった」。中島みゆきの「時代」にあわせ、迷彩模様のジャケットに細身のパンツ姿で軽やかに現れ、第2部ではマイケル・ジャクソン風の衣装をまとった。

庄司信明さん

▼最年少の庄司信明さん(59)は、大手新聞社で運動記者として活躍していた10年4月、看病のかいなく妻をがんで亡くし「もぬけの殻に」。夏の甲子園の取材もやる気が起きず、東京に戻った直後の9月に辞表を出した。今はNPO活動、大学での講師と忙しいが、ファッションには無頓着だった。“若手”だけに、舞台でのアクションも派手。病室で妻とよく聞いた松田聖子の曲に合わせてステップを踏み、第2部では真っ白のシャツにベルサーチのベストをはおり、汗だくになって跳びはねた。「チョイ悪オヤジになった気分だね」

田中嶋忠雄さん

▼最高齢の田中嶋忠雄さん(79)は、56歳で中小企業を退職すると、日本画や古文書解読、オペラ鑑賞など趣味の世界にひたり、RSSにも通うようになった。7年前に妻を見送った後は、さみしさをまぎらすように家庭菜園を花で一杯の庭園に作り替え、今は供養のためにとバラの栽培に没頭する日々だ。夫婦ともオペラ鑑賞が好きだったので、登場の曲には「フィガロの結婚」を選んだ。手にした白いバラは、その日の朝つんできた自信作。そのバラを客席に差し出す余裕を見せた。

三橋健一さん

 ▼同じく最高齢の三橋健一さん(79)は、大手自動車メーカーで新車開発一筋に30年。モーレツサラリーマンで、家事も育児も妻に任せっきりだった。8年間の介護の末にみとったが、家事は大の苦手。「シャツやズボン、下着などは妻が買ってくれものを今も大切に着回している。自分で買ったことがないのでMなのかLなのか、サイズは分からない」。その三橋さんが選んだ曲は結婚式で聞いた思い出の「スタンドバイミー」。指をはじいてリズムをとり、2部ではジーンズに真っ赤なベルサーチを合わせた。

▼佐藤勇一さん(68)は1級建築士。建築事務所の代表として忙しく働いてきた。妻とは9年前に死別したが、その10年前にがんが発覚してから闘病生活を送っていたので「覚悟はできていた」。今も建築事務所に籍を置いているせいか、身だしなみはきちっとしている。1部では黒のコートとスカーフでダンディーに決め、2部は帽子を斜めにかぶり、少しやんちゃな感じに。

佐藤勇一さん

2人の孫から花束を受け取ると、こぼれんばかりの笑顔をみせた。

▼岡庭正行さん(63)は15年2月に妻を心臓まひで亡くしたが、その1カ月後に中国への赴任を命じられた。「死亡後の手続きや赴任準備で忙しく、悲しんだり落ち込んだりしている暇はなかった」。1年後の帰国とともに退職した。もともと工学部出身のエンジニアで、普段は「だぶだぶのズボンをはいていることが多い」。

岡庭正行さん

その岡庭さんは、白の細身のジーンズにロングコートで舞台に登場した。家族連れで会場に来ていた長女の侑香さんは「まるで別人。笑っちゃいました」と口にしながらも、父親の別の魅力を発見したようだ。

互いに褒め合うことが大事

2017年の平均寿命は女性が87.26歳、男性が81.09歳と過去最高を更新。団塊世代の高齢化とあいまって、没イチを含めたお年寄りの単身世帯は増加傾向にある。地味になりがちな没イチ男性の大胆な変身を演出した専門家の意見も聞いた。

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