正社員の採用市場も縮小するなか、大阪や福岡など地方に拠点を展開して新卒採用分野も強化した。大きく落ち込んでいた中途市場に対し、新卒市場はそれほど減っていなかった。人材大手が弱っている間に、これまで新卒採用を積極的にやってこなかった中小・ベンチャー企業に目を付けて矢継ぎ早に開拓した。

変わらぬベンチャー魂

売上高500億円だがベンチャー企業だと言い切る

狙いはよくても、現場の社員が実行できなければ意味がない。「金曜日の夜に地方の拠点へ行って、日曜日の夜に帰ってきてまた月曜日に東京本社へ出社することもしばしばでした」と当時の激務を振り返る。

地方を回っていたのは、経験したことのない事業を担当する社員らを支えるためだった。提案書を一緒に作ったり、営業のロールプレイングをしたり、セールストークを一緒に読み返したり。不安を見せる社員に「ここが勝負どころだから、一緒に頑張ろう」と飲みながら激励した。

現場とのコミュニケーションを重視する西沢氏は12年前から今に至るまで、社員に対して「今日の一言」メールを送ることを続けている。

「社長が何を考えているのかわからない」「役員が何をしているのかわからない」。中途採用の営業を先頭切ってやっていた頃、クライアントからよく耳にした言葉が頭の中に残っている。経営がうまくいっていない会社からは概して、トップや経営陣に対する不満が聞かれた。「社長の頭の中、考えていることをトップ自身が伝えることが大事」という姿勢を貫いてきた。

現在は売上高約500億円、従業員約3千人の規模になったが、西沢氏は自社のことを人材会社ではなく「ベンチャー」だと言い続ける。「成長し続ける」という企業理念を体現するためだ。

最初は顧客に新しいサービスが喜ばれるということが単純にうれしかったが、「社会の課題を解決していけば、自分たちの会社が大きくなっていく。徐々に社会とリンクしていくようになりました」。「会社ではなく社会で価値を出していきたい」という学生時代の思いをまさに実現しようとしている。

(安田亜紀代)

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