日本株、平成後は飛躍の10年 改革結実(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

日本は当初、この分野で出遅れていましたが、近年になりようやく、IT化で成長する企業が増えています。製造業でもサービス化・IT化に対応した「脱製造業」のビジネスモデルが広がりつつあります。

(8)海外での巨額のM&A(合併・買収)も増えています。日本企業が大型M&Aで次々と海外企業を買収する時代となりました。

(9)働き方改革も進んでいます。まだ道半ばですが、労働生産性を高める取り組みが本格化しています。少子化で働き手が不足する問題に対応し、女性の活用も進んでいます。結婚して退職した女性の再雇用や共働きで家事、育児、介護を分担する時代に対応した人事制度が普及しつつあります。

(10)ガバナンス(企業統治)改革への取り組みも挙げられます。これも道半ばですが、改革は着実に進みつつあります。近年、重大な不祥事を起こし、株価が急落する企業が増えています。内部通報制度の普及で、日本企業が過去何十年にもわたって隠してきた問題が露見するようになりました。ガバナンスを根本から改革するプロセスが進行中だからといえます。

世界景気減速が予測される来年前半は要警戒

来年5月、平成に代わる「新元号」が始まります。次の10年、日本株はどうなるでしょう。これまで述べてきたように日本企業は10の構造改革をなし遂げており、それが投資家に評価されて私は日本株が大きく飛躍する10年になると考えています。

ただし、日本株をどんどん買うのは少し待った方がいいと思います。前回も説明しましたが、19年にかけて世界景気は減速が予想されるからです。19年の世界景気が停滞で済むのか、後退もあるのか見極めが必要でしょう。景気後退まであり得るならば、日経平均は2万円割れの可能性があります。

私は今後10年に明るい見通しを持っていますが、19年の前半までは警戒的なスタンスで臨むべきだと考えています。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムで、原則火曜日掲載です。
窪田真之
楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト。1961年生まれ。84年慶応義塾大学経済学部卒業後、住友銀行(当時)入行。99年大和住銀投信投資顧問日本株シニア・ファンドマネジャー。2014年楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト、15年所長。大和住銀では日本株運用歴25年のファンドマネジャーとして活躍した。
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