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野草や昆虫食べる「野食」に光 災害時や温暖化対策に

2018/12/18

スズメバチのさなぎやセミの幼虫がのった手まりずし(8日、「昆虫食を楽しむ会」が開かれた都内の飲食店)

道ばたの野草や公園にいる昆虫を食べる「野食」に注目が集まっています。「これも食べられる」。インターネットで野食についての書き込みを見ると、災害への備えなども関心が高まっている背景にあるようです。「達人」たちを訪ねました。

12月上旬、川崎市の多摩川べりを案内してくれたのは紹介ブログ「野食ハンマープライス」を運営する茸本朗さん(33)です。「早速ありましたよ」。河原を歩き始めて5分もたたず、茸本さんが草むらに分け入りました。採ってきたのはハマダイコンという野生の大根です。

「この辺は、僕にとっては畑ですね」。茸本さんはネギの一種のノビルや春の七草の1つ、ハコベなど10種ほどの野草をあっという間に集めました。普段から野草を食すという茸本さんの動機の1つが、大規模災害への備えです。2011年の東日本大震災後、カップ麺などの非常食に比べて野菜など生鮮食品の供給は滞りました。茸本さんは「野草を食べられれば災害時でもビタミン不足にはならない」と自信をのぞかせます。

世界的に注目される野食といえば昆虫食でしょう。欧州連合(EU)は18年1月から全域での流通を認め、関係者を驚かせました。昆虫食を規制する加盟国もある中、食料として公認する決定だったためです。

昆虫食研究家の内山昭一さん(68)は「EUの動きの背景には食料難や地球温暖化への危機感がある」と解説しています。牛や豚は生育のため穀物などを消費し、温暖化ガスも大量に排出します。対して昆虫は省エネです。内山さんによると体重を1キログラム増やすのに必要な餌の量は牛の10キログラムに対してコオロギは1.7キログラムで済むそうです。

味はどうでしょう。内山さんが都内の飲食店で開いた体験会を訪ねてみました。食材となった虫はセミの成虫やスズメバチのさなぎなどです。初参加の介護職員、戸部大歳さん(23)は昆虫の手まりずしなど3種のメニューを平らげ「昆虫は食べられないという固定観念が覆った」と驚いていました。体験会には約20人の参加者のほか香港のテレビ局も取材に来るなど、関心の高さをうかがわせました。

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