健康・医療

睡眠(ナショジオ)

ランチ後の眠気 実は満腹になったからではない?

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/12/25

ナショナルジオグラフィック日本版

写真はイメージ=PIXTA

午後一の会議できまって眠くなったり、午後はどうも集中できなくて作業効率が上がらなかったりする経験は誰もがあるだろう。一般に「昼食をとって満腹になった」ことが原因と言われるが、この眠気は体のリズムとも関係がありそうだ。

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睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠が交代しながら出現することはよく知られている。まず睡眠の前半では「深いノンレム睡眠」(徐波睡眠)が多く、後半に向かって徐々に「浅いノンレム睡眠」が主体になる。ノンレム睡眠に代わって睡眠後半に幅をきかせてくるのはレム睡眠である。明け方になるに従ってその持続時間が長くなり、レム睡眠中に見る夢も鮮明でストーリー性のある内容になる。

健康な成人の典型的な睡眠の経過図。この例では0時に就床(消灯)して8時過ぎに起床している。レム睡眠の平均90分周期のような、24時間よりも短い周期をウルトラディアンリズムという(画像提供:三島和夫)

レム睡眠は、明け方から午前中にかけて出現しやすく、夕方過ぎから宵の口にかけて出現しにくいという約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)性をもっている。休日の朝に二度寝をすると心地よい夢を見ることが多く、逆に晩酌後の居眠りではあまり夢を見ないのはこのようなレム睡眠のリズム性による。

ただし、もう少しミクロな視点で見るとレム睡眠は入眠後に平均90分周期で出現し、通常一晩に4、5回のレム睡眠が見られるという、より短い周期のリズム性も併せ持っている。このような24時間よりも短い周期(一般的には数十分~数時間)をもつ生体リズムを「ウルトラディアンリズム」と呼ぶ。

このリズムは、レム睡眠に限らず、性ホルモンや心拍をはじめ多くの内分泌機能や自律神経活動に認められる。温湿度を一定にして、食事を取らず、安静にしていても認められるため、体内(おそらく脳内に)その発振源があると考えられてきたが、これまでその発現メカニズムは不明であった。最近、この疑問の解明に近づく研究成果が発表されたのだが、その前にもう少し詳しく解説しよう。

日中の眠気や注意力、作業能率、脳波の周波数などの脳機能にも、レム睡眠に似た生体リズムが認められる。例えば、外部からの刺激を統制した環境下で、脳波活動を10分おき20分おきなど細かく分析すると眠気の指標であるθ波の活動がまるで日中にもレム睡眠が持続しているかのように約90分で高まることが明らかになっている。

レム睡眠の発見者でもあるシカゴ大学のクライトマン教授(当時)がこのような覚醒中に見られるウルトラディアンリズムの存在を最初に提唱し、基礎的休止-活動リズム(Basic Rest-Activity Rhythm)と名付けた。その後の研究で、90分周期のほかに、その約2倍の3~4時間周期の存在も確認されている。

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