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「人気ゲームは5年後も残る?」 五輪eスポーツに壁 IOCのバッハ会長、VRとARの動向を注視

2018/12/17

リアルのスポーツとeスポーツは急接近しているが……(写真は日本のプロ野球が初めて実施したプロリーグの開幕戦、11月10日)=共同

国際オリンピック委員会(IOC)は今月、ゲーム対戦競技のeスポーツについて「五輪のメダル競技に採り入れるかどうかの議論は時期尚早」とする声明を出した。その理由として、暴力性のあるタイトルの存在、ゲームの進化の速さ、業界の一体感の欠如、商業主義の4つを挙げた。とりわけ仮想現実(VR)など技術の発達は著しく、トーマス・バッハ会長は「いま我々が知っているゲームが5年後に残っているか」と疑問を投げかけた。

IOCは12月8日、主要な国際競技連盟、主要国のオリンピック委員会、国際パラリンピック委員会などとともにスイスのローザンヌで「五輪サミット」を開催。それを受けて今回の声明を同日発表した。同じローザンヌでゲーム業界の関係者を招いて7月に開いたフォーラムの議論も踏まえている。

声明によると、若者の余暇時間を巡ってリアルのスポーツとeスポーツが競合関係にあることを認めたうえで、「世界中の若者がeスポーツを支持しており、その成長を無視すべきではない」ことで合意した。同時に、「競技性のあるeスポーツは伝統的なスポーツと同等の身体活動を伴う」という見方でも一致した。こうしたことからIOCは今後もeスポーツのウオッチを続ける。

■ゲーム業界は激しい競争で分裂

それでも、議論は時期尚早としたのは4つの不透明な要素があるためだ。1つは戦争などを扱ったゲームの暴力性。これまでもたびたび指摘されてきた問題で、声明では「いくつかのゲームは五輪の価値に合致しておらず、(五輪との)連携は排除される」と結論づけた。どこで線引きするかについては触れなかった。

注目すべきは、不透明な要素としてゲームの基盤となる技術に言及したことだ。声明には「人気のあるゲームが変わったり、拡張現実(AR)やVRが急速に発達したりして、ゲーム産業は急速に進化している」とある。具体的なイメージは示していないが、プレーヤーの体の動きとゲームのなかの登場人物の動きをリンクさせることや、より臨場感のある仮想空間を作り出すことなどが考えられる。

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