米国の砂漠に何千台ずらり 車と飛行機の墓場の絶景

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

大賞作品。何千台ものフォルクスワーゲンやアウディが、米カリフォルニア州ヴィクターヴィル近くのモハベ砂漠に放置されている(PHOTOGRAPH BY JASSEN TODOROV, 2018 NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO CONTEST)

米国の砂漠には、飛行機と車の墓場がある。正確には、スクラップや部品とりのための保管所だ。米国の写真家ジャッセン・トドロフ氏は、カリフォルニア州のモハベ砂漠に小型機を飛ばし、墓場の様子を空撮した。氏のこの写真は、米ナショナル ジオグラフィックが主催する写真コンテストの大賞に輝いた。氏が空撮に魅せられる理由と、「墓場」と呼ぶにふさわしい保管所ができた理由も見ていこう。

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5月下旬の暑い日に米カリフォルニア州のモハベ砂漠を飛べば、1976年製の小型飛行機の中は焼けつくように暑くなることを、ジャッセン・トドロフ氏はわかっていた。

トドロフ氏は、この砂漠の上空をよく飛んでいたので、周辺の地域のことはよく知っていた。その中の1つが南カリフォルニア物流空港の近くにあるフォルクスワーゲンの車両保管所。2018年ナショナル ジオグラフィック写真コンテストの大賞に輝いた作品は、ここで撮影されたものだ。

南カリフォルニア物流空港(別名ヴィクターヴィル空港)は、現役を引退した飛行機の保管所としても知られている。こうした飛行機は、最終的にスクラップにされたり、部品を取るために使われたりする。しかし、2015年にフォルクスワーゲンが自動車の排ガス試験で不正を行っていたと報じられて以降、空港に隣接する広大な土地は、リコールされた車の墓場と化した。

トドロフ氏は、リコールされた車両が空港に保管されているというニュースを読んだとき、その話のスケールの大きさに衝撃を受け、その光景を自分の目で見たいと思った。

南カリフォルニア物流空港に保管されている車両のアップ(PHOTOGRAPH BY JASSEN TODOROV, 2018 NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO CONTEST)

トドロフ氏の本業は、コンサートのバイオリニストだ。飛行機の操縦を始めたのは2000年代の初頭、最終的には飛行教官にまでなった。そして、飛行中の眼下に広がる世界を写真にとらえようと情熱を燃やし始めた。その情熱は、壮大な美しさと環境問題の両方に向けられた。

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