35歳からの「力試し転職活動」が命取りになる理由ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

在職中に、期限を決めた本気の転職活動を

転職活動の前に自分の能力、スキル、知識を書き出して、客観的に事実を把握することも大切。写真はイメージ=PIXTA

40歳を前に一定の経験を積み、自信がついてきたところで長期的なキャリア形成を見据えて転職を考える、あるいは市場価値を探ってみるというのは、多くのビジネスパーソンが通る道でしょう。それ自体は当然の考え方で何の問題もありません。しかし、その方法論を間違えてしまうと、大きなリスクが控えているということは頭の片隅にとどめておいてください。

では具体的に、どうすればよいのでしょうか。

結論からいうと、「自分の市場価値調査」と「キャリア構築の実施」を明確に切り分けることが重要です。「自分の市場価値がどんなものか」という興味本位の実験を、チャンスが限定された本番環境で使い切ってしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます。

まずは自分の志向・価値観と保有する具体的な能力、スキル、知識を書き出して、できるだけ客観的に事実を把握することがスタートです。その上で自分が可能性を感じている業界や企業があれば、できる限りのネットワークを駆使して、外部から人材を採用する余地や求められている人材タイプ・能力を取材するというのが次の段階。こうした周辺調査がしっかりできれば、自分の市場価値がどのあたりの座標になるか、ある程度は感じ取れるはずです。

そして、しかるべきタイミングが来たら、いよいよキャリアづくりを実行するフェーズに入ります。実行段階で重要なのは、転職する覚悟が決まっていること。また、できるだけリスクを抑えるために勤務先企業に退職意思を伝えず、働きながら転職活動する時間を作ることも重要です。

応募先企業に対しては、

●なぜ今回、転職しようと考えるようになったのか
●自分個人としてどんなキャリアを築いていきたいのか
●過去培ってきた経験やスキルで、どんな貢献ができると考えているのか

を、しっかりプレゼンテーションすることがベーシックな戦術となります。

自分の力を過信せず、かといって弱気になりすぎず、できるだけ正しいキャリアの現在地と明確な目的地を思い描いて、貴重な時間と機会を上手に作り出していただければと願っています。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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