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35歳からの「力試し転職活動」が命取りになる理由 ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

2018/12/21

転職サービス登録直後のオファーメールには冷静に対処したい。写真はイメージ=PIXTA

転職サイトや転職エージェントに登録した後で届くスカウトメッセージは、本来のヘッドハンティングではなく、転職意思を持った人向けのダイレクトメールだと考えておいたほうがよいでしょう。多くの場合、同じ内容のものが数十人から数百人に送られています。かなり希少なキャリア、スキルを持っていなければ、1対1で送信されることはまれです。

さらに、そのメッセージを受け取って「自分にぴったりなオファーだ」と感じた人たちは、「ぜひすぐにでも自分にその仕事を任せてほしい。条件にはこだわらない」と積極的な回答をしている可能性があります。その中に「自分をいくらで買ってくれるのか。条件次第で検討します」という返信が混ざっていたとすれば、順調に選考が進む可能性はゼロに近づいてしまうでしょう。

たとえ形式的にはスカウトメールだったとしても、応募する段階では「なぜこの仕事に興味を持ったのか」とか「この会社にどんな貢献ができると考えているのか」といった志望動機くらいは、しっかり語れる状態にしておく必要があります。

■35歳から激減する選択肢を焼き畑にしない

転職市場は、年齢によって歴然と需給バランスが変化します。35歳、40歳、45歳という5歳ごとの区切りで求人が激減していく年齢の壁は、人材不足が叫ばれている今も大きく変わっていません。

また、ウェブエンジニアやデータサイエンティスト、建築技術者、薬剤師など、需要が爆発的に増えている一部の職種を除くと、いわゆる営業系や企画系、事務系などは「需要=求人数」に対して「供給=転職希望者数」が大きく超過している買い手市場の構造になっています。

つまり、35歳を超えると、転職の対象となりうる求人企業やポジションのカードは激減し、きわめて限定されることになります。34歳と36歳、39歳と41歳では、転職市場としてはまったく異なる需給バランスになるのですが、年齢の壁や、職域による需給状況は目に見えるものではないために、落とし穴にはまってしまう人は後を絶ちません。

さらにいえば、同地域、同業種、同職種で転職活動する場合、募集企業の顔ぶれは想像以上に限られていて、一定の新陳代謝はあっても、1、2年のスパンではあまり大きな変化が感じられないのが現実です。一般的に、一度応募して不採用という結果になった場合、少なくとも1年、ほとんどの企業では数年間は、再度応募しても受け付けてもらえません。

「35歳も超えて、成果を出せる自信もついてきたので、自分の市場価値を試してみたい」と考えて転職活動を始める方は意外に多いもの。しかし、いざ転職市場に足を踏み入れてしまうと、あまり本気ではないスタンスで応募しても、本気度の高いライバルに負けてしまう可能性が高い上に、近い将来の自分の可能性すら自ら潰してしまうことになりかねません。可能性に満ちた畑を、わざわざ自らの手で焼きつくしてしまう恐れすらあるのです。

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