こだわりの逸品

切っても切り離せない平成紳士とイタリアの銘品 平成紳士の名靴・名小物 これまでとこれから(3)

MEN’S EX

2018/12/14

MEN'S EX

バブル崩壊、IT革命、リーマンショックetc. 男の生き方も美意識も大きく変わった平成時代には、無数の靴・小物が生まれ、名品として進化してきた。その歴史を顧みつつ、これからの展望を考えてみよう。




平成を見てきた服飾名士たちが語る

青柳光則さん(左) ファッションディレクター/1960年生まれ。出版社勤務を経て’83年独立。DC、クラシコなどトレンドの現場を牽引。
池田哲也さん(中) 服飾評論家/1968年生まれ。’90年三越入社後ローマ駐在。クラシコブーム前から当地の魅力に触れる。
吉田周平さん(右) ビームス ドレス部ディレクター/1969年生まれ。’89年ビームス入社。バイイングを通して平成ドレスクロージングを主導。

【 ITALY 】

平成の“新しい!”はイタリアが生んできた

M.E. さて、今回はイタリアについて。

青柳 平成初頭はミラノ3Gとよばれたモードブランドが全盛で、今M.E.でお馴染みのイタリアブランドは知る人ぞ知る存在でした。

池田 ここに挙がっているものだと、ヴァレクストラはその当時から知られていたブランドですね。

吉田 色の展開とか、黒でコントラストを付けたコバとか、イタリアならではの華やかさがありますよね。

池田 でも、いわゆるクラシコブランドはほぼ無名でした。私は’90年に三越に入って、それらの担当をしていたのですが、当時は本当に売れなかったですね。

M.E. それが大ブームになったのはどんな理由があったんでしょうか?

池田 それはM.E.の功績ですよ。落合正勝さんが創刊当初に「クラシコイタリア」という言葉を紹介して、それが火付け役になりましたよね。中でもマリネッラなどは、ナポリの小さな個店から国際的ブランドへ飛躍しました。個人的にも親しくしていたので、感慨深かったですね。

青柳 マリネッラは締め心地が独特。ヒラッとした感じがクセになります。

吉田 ’90年代中盤以降になってくると、我々の買い付けの場もイタリアへ徐々にシフトしていきました。トラモンターノやムンガイ、サントーニ、いずれもビームスと縁のあるブランドです。アット ヴァンヌッチは今季から取り扱い始めましたね。

青柳 サントーニは、イタリア靴の魅力ってこういうものだ、ということを教えてくれた存在ですね。スラリとして色気があって、万人にわかる高級感があって……。

M.E. あと、国民的にブレイクしたのがトム フォード アイウエアです。

池田 これはよく出来てますよ。クラシックに敬意を払っているのが伝わってくる。T字のアイコンだって力学的にも納得いく意匠ですし。

吉田 イタリアは技術も柔軟性も、着飾ることに対する意識も高い。だから新しい魅力的なモノが次々と生まれるのだと思います。

青柳 別注への対応力もあるし、日本人バイヤーとの相乗効果でますますいいモノができていますよね。

吉田 そうですね。一緒にモノを作るには最高のパートナーです。

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