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すでに70万人いる 「日本の『中国人』社会」の実像 中島恵著

2018/12/15

日本での暮らしが長くなると、一時帰国して「昔のまま」の中国のように振る舞い、失敗する人もいるという

深刻な人手不足への対応として、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が国会で成立した。2019年4月に施行される同法の下、5年間で最大34万人の外国人労働者がやって来ることになる。外国人をどう受け入れ、どう付き合えばいいのか。今回の書籍「日本の『中国人』社会」は、すでに70万人以上いる日本在住の中国人とそのコミュニティーを取材し、知られざる本音に迫った一冊だ。

◇  ◇  ◇

中島恵氏

著者の中島恵さんは1967年生まれで、北京大学や香港中文大学に留学。新聞記者を経てフリージャーナリストとなり、中国、香港をはじめとするアジアのビジネスや社会事情を取材しています。3万部を超えるヒットとなった「中国人エリートは日本人をこう見る」や「なぜ中国人は財布を持たないのか」(ともに日本経済新聞出版社)、「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(プレジデント社)など中国関連の著書が好評です。

■日本に食い込む中国人コミュニティー

東京の新宿、池袋、錦糸町、亀戸―――。近年、経営者も働き手も、場合によってはお客も中国人中心というディープな店が集まる「ミニ中華街」が増えているといいます。こうした地域でなくても、都市圏のコンビニや飲食店では外国人、特に中国の人と接しない日はないといっていいくらいです。17年末現在、日本に住む中国人は73万人(台湾・香港を除く)に上ります。最近の都道府県別の推計人口と比べると、最下位の鳥取県(56万人)はもちろん、島根、高知の両県を上回り、徳島県の74万人に迫る数字です。

日中の経済格差が縮まり、GDPで拮抗し、中国が日本を追い越していく過程で、中国国内の影響を強く受け、日本に住む中国人の実像は大きく変わってきた。
親の勧めに従って来日する富裕層の留学生、日本に留学後、そのまま銀行や商社、メーカーなどに就職して働くホワイトカラー、大学教授、シンクタンクの研究員、高度な技術を持つエンジニア、医師や看護師、行政書士など、さまざまな職業に就くようになってきた。
(プロローグ 日本の中国人は、高知県民とほぼ同数 9ページ)

日本に住む中国人は、一般に感じる以上に多様化しているようです。1990年代後半以降、中国の密航請負組織「蛇頭」が暗躍した時代の不法滞在や犯罪の多発といったイメージを引きずっている人がいたら、かなり時代遅れといえるでしょう。

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