格上パンツコーデ　冬の仕事服に華やぎをプラス

いつものパンツルックをアップデートしたいなら、組み合わせの自由度が高いセットアップをうまく取り入れるのがオススメ。着こなしのテクニックを、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんに教えてもらいます。

きびきびしたイメージを印象づけやすいパンツルックはお仕事コーディネートの「お約束」的な存在だ。見慣れた装いだけに、適度な華やぎやフェミニン、自分らしさを漂わせるアレンジを意識したい。スーツほどには堅苦しくないセットアップはオフィスでも人気が上昇中。知性や大人っぽさを宿した格上パンツコーデにも取り入れやすい。

スーツとセットアップの違いは、ジャケットに限定されない点と、デザインの自由度が高いところにある。ロングコート風にも見えるポンチョライクな羽織物は、自然な落ち感を帯びたシルエットがエレガントな着映え。このようなアウターもパンツセットアップに組み込める。細身のパンツはほっそりイメージを引き立てる。見るからに着心地がよさそうなジャージー素材のセットアップは、1日ずっと着ていてもくたびれない。

ジャケットの代わりにシャツやブラウスを取り入れたセットアップは、軽やかに着こなせる。無地のコンビネーションは地味に見えがちだが、プリント柄をあしらえば、統一感をまといやすい。ラッフルのブラウスがエレガントな風情。ブラウスとパンツをセットで着た上で、メンズ風コートを羽織って、さらにきちんとした見栄えに。お仕事ルックにも生かせるコーデだ。

ジャケットとパンツという、ベーシックな組み合わせでも、生地の質感を工夫すると、スーツ風の硬さを遠ざけられる。例えば、薄く光沢を帯びたベロア風の生地は上品で優しげ。オフィスルックで取り入れれば、程よく華やぎを添えやすい。ボウタイブラウスが気品を漂わせている。

シルエットや素材のバリエーションが豊富なセットアップは、単品で着回しできるのも魅力だ。着丈が長い羽織物は体形カバーにも役立つ。シャツやブラウスとのコンビネーションは春夏にも使いやすい。職場にふさわしいまとまり感を保ちながら、見た目の印象を自在に操りやすいから、お仕事コーデのイメージチェンジに取り入れてみては。

宮田理江

　ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」（ともに、学研パブリッシング）がある。

［nikkei WOMAN Online 2018年11月24日付記事を再構成］