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古代の副葬品 死後の世界はこんなに豪華、写真13点

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/12/16

ナショナルジオグラフィック日本版

死者を守る軍勢:紀元前2000年ごろ、エジプトのアスユートでメセティという名の貴族が亡くなり、彩色された木製の人形40体と共に葬られた。エジプト人兵士をかたどった人形は高さ約60センチで、槍と盾を持っている(PHOTOGRAPH BY KENNETH GARRETT)

ここで紹介する写真は、考古学者が世界中の遺跡から発掘した副葬品の数々だ。死後の世界に、いったい何が待っているのか。それは究極の謎だ。でも、ここで紹介する副葬品には、それぞれの文化を超えて、死の向こうにはずっと素晴らしい世界が待っているという人々の信念が表れているように見える。

世界を見渡せば、文化によって死後の世界の様子は違う。ある文化では、人が死ぬと真珠でできた天国の門をくぐるし、別の文化では永遠に炎に焼かれてもがき苦しむ。輪廻(りんね)を繰り返す例もあれば、創造主と一体となる例もある。いずれも、命は永遠に続くという概念に基づいている。

アフガニスタンの遊牧民の短剣:アフガニスタンの遺跡ティリヤ・テペで、紀元1世紀の裕福な遊牧民の墓6基が発掘され、金、銀、象牙の遺物2万1618点が出土した。写真の短剣の柄は金とトルコ石で作られ、持ち手に想像上の獣、柄頭にはシベリアのクマ(ヒグマの亜種)が表現されている(PHOTOGRAPH BY KENNETH GARRETT, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

「死後の世界がある」という考え方は、はるか昔からある。人間は、地球の歴史からすれば一瞬にも等しい生を終えた後に、別の世界があるという希望を抱き、死後は今よりもずっと幸福な人生かもしれないと思い描いてきた。例えば古代エジプト人は、死後の世界では生前に好んだものを全て享受でき、苦痛や悲嘆、飢え、渇きなどに苦しむことはないと信じていた。

中国の秦王朝や、中米のマヤ文明など多くの古代文化では、死者があの世で何不自由なく暮らせるよう、墓には食料や種々の道具が入れられた。死者の財力がそれほどでもなければ、副葬品はもちろん簡素になる。エジプトで復活と再生を象徴するナイル川の黒い泥を、陶磁器のつぼに詰めるといった具合だ。だが、財産と権力のある集落の長なら、金に糸目を付けない最高級の品々と共に葬られた。

旅立つファラオの船:紀元前15世紀にエジプトを統治したアメンヘテプ2世にささげられた副葬品の1つ、スギとエジプトイチジク材で作られ彩色された船。全長は180センチを超える。死後の世界の移動手段として作られたものだろう(PHOTOGRAPH BY KENNETH GARRETT, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

次ページでも、ナショジオのアーカイブに残る古代の副葬品を写真で紹介する。

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