「コーヒーは痛風予防にいい」ってホント? ウソ?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
(1)ホント
(2)ウソ
正解は、(1)ホントです。
コーヒーの摂取量が多い人ほど痛風発症リスクは低い
あまり知られていませんが、コーヒーは尿酸値にいい影響があります。
風が吹いただけで痛むという「痛風」。その原因になるのが尿酸という物質です。血液中の尿酸の濃度(尿酸値)が高くなると(高尿酸血症)、痛風発作が起こりやすくなります。
痛風や高尿酸血症に詳しい東京慈恵会医科大学名誉教授の細谷龍男さんは、「(尿酸値の気になる方は)コーヒーの摂取もお勧めです。米国のコホート研究で、『コーヒーを多く飲む人ほど痛風発症のリスクが低い』という報告が出ています」と話します(Arthritis Rheum. 2007;56:2049-2055.)。
この研究では、コーヒーの摂取量が多い人ほど痛風発症リスクは低いという結果が出ています。日に6杯以上飲む人の痛風発症の危険度は、全くコーヒーを飲まない人に比べ半分以下です。コーヒー好きには朗報ですね。
また、普段の生活で水分を多めにとることも尿酸値を下げるには効果的です。肝臓で分解された尿酸は尿とともに体外へと排出されます。尿の量が少なくなると、尿酸の排出量が低下して、尿酸値を下げることができなくなってしまいます。
「尿の量で1日2L程度の量を維持していただくのが理想的です。脱水も尿酸値を上げます。通常、人の尿量は1日1.0~1.5Lですので、こまめにいつもの倍くらいの水分を摂取してください。もちろん水分の補給はカロリーやアルコール成分のない水やお茶などにしてください」(細谷さん)
水分摂取の際に、甘い清涼飲料水や果糖の多い果汁100%ジュースなどは適さないと細谷さんは話します。「果糖の過剰摂取は尿酸を増やすことにつながります。実際、砂糖(ショ糖=果糖+ブドウ糖)入りの甘いソフトドリンクの摂取量が多いと痛風発症のリスクが高まるという報告もあります。砂糖がたっぷり入った清涼飲料水やジュースなどの飲み過ぎには注意しましょう」(細谷さん)
コーヒーを飲む際も、砂糖・クリームを使わず、ブラックで飲むのがお勧めです。
(日経Goooday編集部)
[日経Gooday2018年12月3日付記事を再構成]
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