異分子を結び「超・百貨店」へ Jフロント社長の挑戦J・フロントリテイリングの山本良一社長(上)

「当時、3カ月後にマスタープランをつくって経営会議に提案しなさいと言われました。プラン自体は3カ月もあればできます。問題は絵に描いた餅にならないよう、どう実行していくか。かつての構造改革のようにしてはならないという思いがありました」

ギンザシックスの開業セレモニーで(右から3人目が山本社長)=J・フロントリテイリング提供

「週に3回くらいの頻度で、本社の仕事が終わってから大阪府高槻市の研修所で社員に説明をしました。経営や営業の改革をしていく方法論だとか目的を説明して、理解をした社員から実行に移してもらいました。現場が変わると業績が上がる。利益が出てくると、皆が納得し改革に取り組む人が増える。変革が進むとはこういうことかと肌で感じましたね」

社員を見ていることを示すことが大事

――経営者にはどんなリーダーシップが必要でしょうか。

「1つは、ゴールを明確にすることです。営業改革もそうでしたが組織を束ねて、社員のエネルギーをゴールに向けていきます。自分自身は高い視座でものごとを見ていかないといけないし、広い視野で世の中を見ておかないといけない。そういうことを心がけつつ、掲げたゴールには絶対責任を持つということです」

「また、組織を束ねていくときにはコミュニケーションも重要です。経営陣は発信するだけでなく、社員をきちんと見ていなければいけない。私が売り場によく行くのは、その場で何も話さなくても、あなたたちを見ているよ、きちんと思っているよ、ということを示す必要があると思っているからです。こういうことはすごく大事です」

「経営陣が意図をしっかりと説明すれば、現場の社員が着実に実行してくれるようになります。14年に、店舗を核にエリアの魅力を最大化して、地域とともに成長する『アーバンドミナント戦略』を打ち出しました。不動産開発の担当者などが我々の意図をちゃんと理解して動いてくれました。京都の町家の再開発や、東京・上野で地元の商店街と一緒に開いたイベントなど、細かなことまで指示しなくてもしっかりと動ける組織になってきているかな、と感じています」

山本良一
1973年明大商卒、大丸入社。2003年、12人抜きで取締役の経験なく社長に就任。07年に持ち株会社のJ・フロントリテイリング取締役。10年大丸松坂屋百貨店社長。13年から現職。

(岩野孝祐)

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