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借りた物でも補償OK 個人賠償責任保険の対象広がる

2018/12/14

写真はイメージ=PIXTA

自動車保険に個人賠償責任補償の特約を付けています。先日、子どもが友達に借りたゲーム機を壊してしまいました。保険金は受け取れるのでしょうか。

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個人賠償責任保険は日常生活の事故で他人にけがを負わせたり他人の物を破損してしまったりした場合の賠償費用を補償する保険だ。火災保険や自動車保険、傷害保険などの特約で付けられるのが一般的。一部クレジットカードでは付帯保険として加入できる。

他人に借りた物を壊した場合は個人賠償では保険金を受け取れない。借りた物は「管理財物」や「受託品」などと呼ばれ、借りた人が適切に管理する責任のある財物だと見なされる。

個人賠償で補償するのは「他者の管理下にある他者の財物を破損したケース」なので、借りた人の管理下にある財物については補償対象外になるわけだ。

借りた物を壊したケースに備えるには別途「受託品賠償責任補償」と呼ばれる補償を付ける必要がある。受託品賠償責任補償の認知度は低く、保険会社には個人賠償で受託品の賠償費用も賄えないかという問い合わせがあったという。

東京海上日動火災保険はこうした声に応え、2019年1月から個人賠償責任補償特約の補償対象を借りた物にも拡大する。友人から借りた私物のほかホテルや民泊の備品、レンタル業者で借りた物も含まれる。

補償拡大に伴い、特約保険料は従来の年1530円から年2000円となる(国内事故の補償は無制限、国外事故1億円の場合)。自動車保険や火災保険、傷害保険に付けられる。

損害保険会社でここ数年、個人賠償の補償対象を拡大する動きが広がっている。三井住友海上火災保険では17年1月に、誤って線路内に侵入して運行を遅延させたケースに備えられるよう補償を拡大した。

線路への誤侵入で電車の運行を止めると、乗客などにけがを負わせたり車両を壊したり可能性がある。鉄道会社から振替輸送費用など高額な費用負担を求められるケースが多いが、従来の個人賠償責任保険では対象外だった。現在は火災保険の特約のみだが、19年1月から自動車保険の特約でも補償対象を広げる。

補償対象者は一般に同居の家族に限られるが、損害保険ジャパン日本興亜は別居の子も補償する。未婚の子に限っていたが、一部のケースで17年1月に既婚で別居の子や成年後見人も対象に加えた。保険会社によって補償対象者の範囲が異なるので確認したい。

補償内容は保険契約をする時点で決まるので、契約する保険会社が補償を拡大しても既存契約の内容は変わらない。特約だけ契約し直すことはできないため、新たな補償を含む特約を付けたい場合は主契約部分も加入し直す必要がある。

火災保険や1年契約が多い自動車保険を更新する際は、個人賠償保険だけでなく他の特約の補償内容も確認し、必要があれば見直しをするといいだろう。

[日本経済新聞朝刊2018年12月8日付]

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