定年後は夫も家計簿を 現役以上に支出管理が重要経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
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家計収支を把握して管理することは収入を増やすこと以上に大切だとよくいわれます。いくら収入が増えても、支出が「ザル」のようなら意味をなさないからです。

これは年代を問わずその通りなのですが、現役世代よりもむしろ定年後世代の方が支出管理の重要性は高いといえるでしょう。なぜなら、定年後に働かなければ収入は基本的に年金しかありませんから、長期にわたって一定です。従って、支出をコントロールしない限り、収支改善ができないからです。

家計簿をつけている家庭は少数派

そのために最適の方法は家計簿をつけることですが、多くの夫は「家計簿は妻がつけているだろう」と思っています。ところが、実際には家計簿をつけている家庭は少数派で、3割弱しかないといわれています(国立社会保障・人口問題研究所が2012年7月実施した「生活と支え合いに関する調査」で、先月家計簿を「つけていた」と回答した世帯の割合は全体の26.4%)。

各地のセミナーなどで私が聞き取りをしてみると、もっと少なく1割くらいの家庭にとどまるのではないかという印象を受けます。家計簿をつけるのは面倒ですし、「そんなものは必要はない」という専門家の人もいます。

ただ、私は定年が近づいてくれば、老後の収支状況を把握しておくためにもやはり家計簿はつけた方がいいと思います。

私自身、定年になる2年ほど前から自分で家計簿をつけました。最近は簡単に入力できたり、自動的にクレジットカードの明細データを取り込んでくれたりする便利な家計簿アプリもできていますが、私は極めて原始的な方法でやりました。

毎日の買い物や食事で受け取るレシートを手間暇かけて全部パソコンの表計算ソフトに入力したのです。家に帰ったらポケットに入っているレシートを全部出し、着替える前の5分で作業しました。妻が買い物した分は妻にも入力してもらいました。