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子ども用や刃折り不要も登場 進化するカッターナイフ

納富廉邦のステーショナリー進化形

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NIKKEI STYLE

多くの人が当たり前のように使っている刃を折るタイプのカッターナイフ。刃を折ることで良い切れ味を保つというのは、日本で生まれたアイデアだ。だが意外に刃を折らない人も多いという。そこで各メーカーは「専用の刃折り器」「刃を折ることを学ぶ子ども用」、さらには「折らないカッター」とさまざまなアプローチを試みている。文具の歴史を見続けてきた納富廉邦氏が多様化する最新のカッター事情、そしてカッターを使うときにあると便利な製品を紹介する。

◇  ◇  ◇

折る刃式のカッターナイフは、日本が生んだ発明品の中でも、そのイノベーションの度合いにおいて、かなり上位の発明だといっていい(1956年にオルファの創業者である岡田良男氏が開発)。だが、それが最近はあまり伝わっていないような気がする。

世界にいろいろな刃物はあるけれど、刃物は宿命として、使っていると切れなくなる。だから「研ぐ」必要があるのだが、カッターナイフは、刃を折ることですぐに研ぎたての切れ味を回復することができる。「素人でも簡単に切れ味を回復できる刃物」というのは、世界でも珍しいのだ。

カッターナイフの代名詞のようなロングセラー製品がNTカッターの「A-300」だろう。

1972年に発売され、今なお、人気製品として売れ続けている。その使い勝手の良さもデザインも、登場以来変える必要がないという完成度の高さがすごい。

もちろんカッターナイフ自体が進化していないわけではない。A-300とデザインはほぼそのままで、左利きにも対応した左右両用の「A-300R」のようなバージョンアップも行われている。

現在、一口にカッターナイフと言っても、本当に様々な種類があって、NTカッターやオルファのサイトを見れば、その商品ラインアップの豊富さには驚かされる。本当に、様々な用途で使えるナイフが用意されているのだ。

ただ、それらを追っているとキリがない。そこで今回は、紙を真っすぐ切ることを主な目的とした、いわゆるカッターナイフと、その周辺についての最新事情を紹介することにする。

大型と小型の長所を兼ね備える

現在、これ一本持っていれば間違いないと思えるのが、オルファの「万能M厚型」だ。

 一般的に多く使われているカッターナイフは、刃厚0.38mm、幅9mmの小型刃と呼ばれるものが多い。一方、刃厚0.5mm、幅18mmの大型刃なども使われている。

刃物は、基本的には大きな方が切れ味も良いし扱いやすいのだが、慣れないと大きな刃は怖くて、気軽に使えるとはいいがたい。また、そこまでの切れ味が必要ないことも多い。しかし、小型刃ではちょっと厚い紙を切りたい時など、力不足に感じることもある。

そこで、大型刃のパワーと小型刃の扱いやすさを兼ね備えた刃として開発されたのが、刃厚0.45mm、幅12.5mmのM厚型刃だ。そのM厚型刃を使った製品が「万能M厚型」。一般的にカッターナイフが便利とされる用途なら、これ一本で大体の用は足りる、正に万能型なのだ。

しかし、どれだけ優れたカッターナイフでも、刃を折って使わなければ、宝の持ち腐れになる。

カッターの刃を折る専用器

カッターナイフは刃先のほんの数ミリで切る道具だけに、刃こぼれもしやすい。だからこその「折る刃式」だし、本来は、1回使ったら、片づける前に刃を折っておくくらいの頻度で折っても良いのだ。

カッターナイフに慣れている人は、そうやってガンガン刃を折って快適に使っているのだが、刃を折るのが怖いとか面倒とか、そもそも刃を折って使うことを知らないとか、理由は様々だが、刃を折らないで使い続けている人も、想像以上に多いのが現状だったりする。

そこで「怖がらずに刃が折れるように」と作られたのが、オルファの刃折り器「ポキステーション」だ。

「ポキステーション」は、刃先を差し込んでレバーを操作するだけで、軽い力で刃が折れる。折れた刃も内部に収納されるので、うっかり飛ばしてしまう心配もない。ある程度まとまってから捨てることができるのも便利だ。本体がペンスタンドになっているから、カッターナイフも普段はそこに挿しておけば良い。

「刃を折るだけなのに何を大げさな」と思うかもしれないが、こういう製品を発売してしまうほど、「折らない」人が多いということなのだ。

この製品は小型刃だけではなく、M厚型刃、大型刃にも対応。「小型刃は折れるけど、大型刃を折るのは怖い」という人も、これがあれば、大型刃を安心して使うことができる。本当に気持ち良く安全に刃を折ることができるので、ぜひ、一度試してほしい。

子どもに使い方を教える「キッター」

「カッターナイフは刃を折って使う製品」ということを子どもたちに伝えるために、オルファが発売したのが子ども用カッターナイフ「キッター」だ。

 この製品が優れているのは、子ども用として、それなりの安全性は確保しつつも「基本的に刃物は危険なものであり、その扱いには注意が必要」ということと「カッターナイフは刃を折ることで切れ味が回復する」ことを、同時に分かってもらおうとしている点だろう。

刃全体がプラスチックで覆われていて、本体にセットした後、まず1回、先端を刃折り器で折ることで、刃が露出し使えるようになるという設計がうまい。刃の露出も、刃先がほんの少し出るだけの最小限の露出に留められている。これで安全性はある程度確保しつつ、刃物であり使い方を誤るとけがしてしまうということも学ぶことができるわけだ。

もちろん、刃先の露出が少ないため、普通紙2枚重ねくらいまでしか切ることはできないが、子どもの工作用としては、十分の能力だ。刃折り器が本体のスタンドとして使えるようになっているので、常に刃折り器とナイフはセットであるという認識も持ってもらえる。カッターナイフの正しい使い方を覚えるのに、本当に良くできた製品なのだ。

もちろん、刃物であるから、使用時は保護者と一緒に使うのも前提。「放っておいても安全」というタイプの製品ではないというのも新しい。

刃を折らないカッターも登場

その一方で、プラスの「オランテ」のような、刃を折らずに使うカッターナイフも登場している。

刃厚0.5mmと、大型刃と同じ厚みの刃を使い、サビにくいステンレス刃で、さらに刃の表面を凸凹加工しフッ素加工も施すなどして、接着テープなどを切った時でも刃にべた付きが残らないように設計。それらの合わせ技で、刃自体を長持ちさせている。それでも切れ味が鈍った時は、刃自体を交換するというコンセプトの製品なのだ。しかも、刃の交換にも、刃に直接触れる必要がない。カッターナイフの「怖い」要素を、徹底的に排除した製品といえるだろう。

もちろん、そのために、折れば切れ味が回復するというカッターナイフ最大のメリットは捨てることになるのだが、これだけ折らない人が多い現状だと、この考え方も一つの正解だと思われる。実際、この「オランテ」、デザインや設計など、本当に良くできているのだ。

刃を折らないで使うカッターナイフとしては、オルファの「キリヌーク」も紹介しておきたい。

これは、いわゆる「一枚切り専用」のカッターナイフ。カッターナイフを使うのがうまい人は、雑誌の1ページだけを、下のページを切らずにうまく切り抜いたりするけれど、あれを素人でもできるようにしてくれるナイフなのだ。

内蔵されたバネが力を一定に保ってくれるため、うっかり力を入れ過ぎても下の紙を切ることがない。また、バネの力を調整することで、切りたい雑誌や新聞紙などの紙の厚みが違うものでも、きちんと1枚だけ切ることができるのだ。

刃を折ることはできないが、最初から替え刃が2本内蔵されている。不器用な筆者のような者には、とてもありがたい製品なのだ。

二つ折りにできるカッターマット

最後に、カッターナイフを使うなら、同時に用意しておきたいものも紹介しておく。当たり前だが、カッターマットだ。

カッターマットの上で切った時のカッターナイフの扱いやすさはちょっと感動的でもあるのだが、「カッターナイフをあまり使いこなせていない」と思っている人ほどカッターマットを使っていない。

最近はオルファの「ふたつ折りカッターマットA3」のように、折りたたんでコンパクトに片づけられて、開いた時に、折り目をほぼ感じさせない優秀な製品も出ている。この際、ぜひ用意しておいてもらいたい。

カッターナイフは刃を折る、カッターマットの上で使う、この2つは、カッターナイフを使うに当たっての基本中の基本。これを守って、日本最大のイノベーションの一つであるカッターナイフを十分に使いこなしてほしい。

納富廉邦
 佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。

納富廉邦のステーショナリー進化形バックナンバー
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進化したキーホルダー 片手で開け閉め、コイン収納も
仕事の筆記具変えた、本当に芯が折れないシャープペン

(写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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