虎ノ門ヒルズ駅は東京湾岸の玄関口 新型バスで直結

虎ノ門ヒルズは19年以降に3棟が新設されて合計4棟となる(イメージ)
虎ノ門ヒルズは19年以降に3棟が新設されて合計4棟となる(イメージ)

2020年、JR山手線の「高輪ゲートウェイ駅」とともに、もう1つ新駅が東京に誕生する。東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」。2つの駅はいずれも交通の要衝だ。22年度に全線開通する幹線道路の環状2号(環2)が通る虎ノ門エリア、羽田空港の玄関口となる品川・高輪エリア。2つの駅とその周辺再開発は東京の「地の利」を変える可能性を秘めている。

道路の地下で虎ノ門ヒルズ駅の建設が進んでいる(8月、東京都港区)

日比谷線の霞ケ関―神谷町間に建設する新駅の名前を虎ノ門ヒルズ駅と決めた東京メトロ。20年の東京五輪・パラリンピック前に利用を始め、22年度の完成をめざす。東京メトロは「再開発で整備される建物と新駅がつながることを踏まえた」と名前の選定理由を説明する。新駅とつながる建物とは「虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)」のことだ。

虎ノ門ヒルズは14年に開業した森タワーに加え、19年完成のビジネスタワー(仮称)、21年完成のレジデンシャルタワー(同)、22年度完成予定のステーションタワーの4棟からなる。新設する3棟の事業費は合計で約4000億円。いずれも森ビルが手がける。

虎ノ門エリアの再開発の特徴は交通インフラの整備と一体で進める点にある。例えば、都心と臨海部を結ぶ環2は森タワーの建物の低層部を貫通する。立体道路制度を活用し、超高層ビルと道路を一体で整備した。開発が進む臨海部から築地市場跡地の地下を通り、都心に向かう環2。虎ノ門ヒルズはベイエリアからの玄関口になる。

ビジネスタワーにはバス高速輸送システム(BRT)のターミナルもできる。BRTは東京五輪の選手村ができる晴海や10月に開場した豊洲市場などと虎ノ門を結ぶ。将来は東京駅に向かうルートも検討されている。

ここに地下鉄新駅が加わる。新駅は地下通路で銀座線の虎ノ門駅とつながる。幹線道路や新たな公共交通と期待されるBRT、地下鉄が交わる虎ノ門エリアは東京の新たな交通の結節点になる。

日本大学の岸井隆幸・特任教授は「東京は、東京駅とそこにアクセスしやすい新宿や渋谷などのターミナル駅でできた街。虎ノ門は全く新しい拠点性を持つことになる」と指摘する。

2つの新駅と再開発は、外国人ビジネスマンらを受け入れる玄関口をめざす点でも共通する。

高輪ゲートウェイ駅の再開発では、国家戦略特区を活用して容積率を緩和。外国人ビジネスマン向け住宅を整備する。

虎ノ門ヒルズでも出張者らが長期滞在できるサービスアパートメントを含め約720戸の住宅を整備。虎ノ門ヒルズの南にある虎ノ門・麻布台エリアでも森ビルが再開発を計画する。約1300戸の住宅や都内最大級のインターナショナルスクールを設け、外国人向けスーパーを誘致する。

「エキマチ一体」の再開発で東京と日本の新しい玄関口をめざす2つの新駅。高輪ゲートウェイ駅の再開発は約5000億円、虎ノ門ヒルズ駅周辺の3つの新棟は約4000億円をかける。あわせて1兆円規模の2つの再開発は国際的な金融都市構想を掲げ、さらなる成長をめざす五輪後の東京のけん引役としても期待される。

(安部大至)

[日本経済新聞朝刊2018年12月7日付]