もともと再開発エリアの周辺は歴史的にも玄関口だった。

ヒトが行き交う東海道が通り、簡易な関所である「高輪大木戸」は江戸の玄関口のひとつ。地元となる港区の武井雅昭区長は、新駅は「土地の歴史を踏まえた名称。新しいまちづくりへの意欲を感じる」と歓迎する。

駅舎のデザインは新国立競技場を手がけた建築家の隈研吾氏が担当した(イメージ)
駅の構内は照明で暖かい空間を演出。大屋根を照らすライトアップもする(イメージ)

今回の再開発は駅と街をともにゼロからつくりあげる点でもユニークといえる。JR東がめざすのは「エキマチ一体」。駅舎の大きな屋根や長い庇(ひさし)は駅と街を一体化する仕掛けだ。デザインを手がけた建築家の隈研吾氏は「今までは駅は駅、街は街という感じだった。街と駅が一体になって作られる活気を感じてほしい」と話す。

駅舎やホームを木調にしたのは東京五輪・パラリンピックも意識しているからだ。

隈氏は「開業は20年のオリンピックイヤー。日本らしさをアピールする駅になれば」という。「20世紀の駅はコンクリートと鉄でできていたが、今回は木が主役。日本らしい木を感じてもらえる建物だ」と話す。20年春の暫定開業後、五輪中はパブリックビューイングも計画されている。

東京都心では山手線の主要駅周辺で再開発が相次ぐ。ただ2000年代以降の都市再生プロジェクトの8割は東京駅など山手線の「東」に集中。今後は1960~70年代に開発された渋谷や新宿、池袋の「西」の開発が本格化する。高輪ゲートウェイ駅は日本の玄関口としての地位を確立できるか。早くも五輪後の駅間競争が始まっている。

(安部大至)

[日本経済新聞朝刊2018年12月6日付]