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初代プレステがミニで復活 小さく快適、往時に感慨

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日経トレンディネット

2018年12月3日に発売された「プレイステーション クラシック」。手のひらサイズのきょう体に、往年の名作ソフトを20タイトル内蔵する。それでいて価格は9980円とお買い得だ。小さいプレイステーションの楽しさは一体どんなものか? 長年ゲーム分野で執筆してきた稲垣宗彦がリポートする。

16年に任天堂が発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を皮切りに、過去の家庭用ゲーム機をコンパクトに再現し、往年の名作タイトルを内蔵した復刻商品がヒットしている。そんな中、満を持して発売されたのが、初代「プレイステーション」を小型化した「プレイステーション クラシック(PlayStation Classic)」だ。実際に遊べるメディア向け体験会が開催されたので、参加してきた。

「プレイステーション」は何がすごかったのか?

プレイステーション クラシックのオリジナルとなるプレイステーションの発売は1994年12月3日と、既に四半世紀近くも前の話。

当時3万9800円という価格でソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE、現ソニー・インタラクティブエンタテインメント、SIE)が発売したプレイステーションは、据え置き型の家庭用ゲーム機ながらCPUにワークステーションなどで使われていたRISCチップをカスタマイズして搭載。ポリゴンを使った3Dグラフィックの描写に特化したその設計は、当時としては非常に革新的だった。

また、それまでの家庭用ゲーム機のソフトウエアは半導体のチップを内蔵したカセットが主流だったが、プレイステーションはCD-ROMを採用。カセットに比べて素早く安価な量産を実現すると同時に、独自の流通経路を築く流通改革も敢行した。その結果、それまで「スーパーファミコン」の任天堂と、「メガドライブ」のセガ、「PCエンジン」シリーズで奮闘するNECホームエレクトロニクスの3社がしのぎを削っていた家庭用ゲーム機市場に激震を引き起こした。

ソフト面ではSCEが自社ブランドでタイトルをリリースするだけでなく、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)やコナミ、フロム・ソフトウェアといったサードパーティーが当初から参入。中でも、ゲームセンターで人気を博していたレースゲーム『リッジレーサー』が本体発売と同時に出るゲームソフト(ローンチタイトル)として名を連ねていたインパクトは大きかった。サードパーティーの参入はその後も順調に続き、カプコンの『バイオハザード』、スクウェア(現スクウェア・エニックス)の『ファイナルファンタジーVII』といったメガヒットタイトルにも恵まれたことで、ゲーム市場の勢力図を約2年で完全に書き換えてしまったのだ。

00年にはDVDドライブを搭載した「プレイステーション2」(PS2)、06年にはBlu-rayドライブを搭載した「プレイステーション3」(PS3)と後継機を発売し、ヒットを記録。据え置き型ゲーム機として安定かつ強固な地位を築いてその後のゲーム業界をけん引し、世界中で人気を博している現行機種「プレイステーション4」(PS4)へと続くのである。

今回発売されるプレイステーション クラシックは、94年発売の初代プレイステーションを復刻したものだが、当時のゲームソフトや周辺機器がそのまま使えるわけではなく、遊べるのは内蔵された20タイトルのゲームだけ。その点では機能限定版ではあるものの、後述するように、かなり進化している部分もあり、内蔵タイトルは快適に遊ぶことができる。

本体ちっさ! コントローラー軽っ!

いろいろな媒体で製品写真を見てはいたものの、実際に目にしたプレイステーション クラシック本体の第一印象は、「やっぱり小さい!」だった。コミックスくらいのサイズ感といえば伝わるだろうか。一方、そこから伸びる2本のコントローラーは当時と同じサイズだ。本体は小さくなっているのに、コントローラーはコネクターを除いてサイズも見た目も往年のプレイステーション用コントローラーそのまま。本体と並べたときの比率がなんだかおかしく、遠近感として間違っているような気がする……。

コントローラーには、本体とのサイズ比と別に違和感を抱くことがもう一つ。プレイステーション クラシックのコントローラーには、今ではすっかりおなじみになった「アナログスティック」がないのだ。このため頼りないくらいスリムに見える。プレイステーションで2本のアナログスティックが使えるようになったのは97年4月に「アナログコントローラ」が発売された後の話だ。

ついでに言うと、持った印象もとても軽い。本体をブルブルと振動させるモーターが入っていないからだ。プレイステーション用コントローラーの振動は、97年11月発売の「DUALSHOCK」で実現した。

PS4用のコントローラー「DUALSHOCK 4」を見れば、アナログスティックと振動に加え、L2/R2ボタンはアナログ入力が可能になるわ、ブルートゥースによるワイヤレス接続はできるわ、6軸検出のモーションセンサーは内蔵しているわ、タッチパッドは搭載するわ、スピーカーとマイクがついて音声入力ができるわ、プレーヤーを識別しやすくする4色のライトバーがぴかぁっと光るわ……と機能盛りだくさんである。

現行のDUALSHOCK 4とプレイステーション クラシックのコントローラーは基本的なシルエットがよく似ているだけに、その機能面の違いが際立つ。とっても軽い掌中のコントローラーに、過ぎ去った時間の長さを痛感してしまった。

読み込み時間がゼロ レジューム機能もあり

前述のように、プレイステーション クラシックは20タイトルを内蔵している。電源を入れた後に表示されるメニューから遊びたいタイトルを選べば、ほぼ瞬時にゲームが立ち上がる。スゴい。これがスゴい。

CD-ROMは現在使われているBlu-rayフォーマットに比べてメディア上のデータ密度が格段に低いこともあり、かつてプレイステーションに搭載されていたCD-ROMドライブの読み込みは決して速いとは言えなかった。なにせ『リッジレーサー』では起動時の読み込み中に『ギャラクシアン』が遊べるようになっていたくらい、ゲームの起動に時間がかかるのが常。それが、プレイステーションの「味」だったのだ。

加えて、オリジナルでは外部のメモリーカードに記録していたゲームのセーブデータも内蔵メモリーに記録されるし、プレー中に複数のディスクを入れ替えねばならなかったタイトルも、本体のボタンを押して画面の指示に従うだけで継続できるようになっている。なんという快適さか。

一方でソフトはオリジナルのまま。当時としては画期的だった3D処理能力も、表示可能なポリゴン数が少ないため、キャラクターはブロック玩具の人形みたいだ。画面表示能力だって当時のテレビが基準となっているから、256×224ピクセル、最大でも640×480ピクセルしかない。

それを最新の4Kテレビに映し出すとその画面は笑ってしまうくらい粗いのだが、プレーすればそんなのは関係ない。ゲーム内容は言うまでもなく当時夢中になったものだし、操作性は前述のように快適になっている。実際に遊んでみて知ったのだが、ゲームを中断してメインメニューに戻っても、また中断したところから始められるレジューム機能もあるではないか。これが超便利。RPGでセーブポイントがなかなか見つからないようなときでも気軽に中断できるのだ。

「当時そのまま」を心がけつつ、最大限の快適さを追求した作りになっているところは好感が持てる。何せこの製品で再現されているのは20年以上前の「最新ゲーム」だ。若い人なら、古文書をひもとく考古学者のような気分で遊べるだろう。

筆者のように、当時を思い返しながらノスタルジーに浸って遊ぶ世代にしてみれば、内蔵されているタイトルの顔ぶれについて「あれがない」「これが欲しかった」などの意見はあるだろう。が、その「侃々諤々(かんかんがくがく)」も含めて楽しむのがプレイステーション クラシックへの向き合い方である気がする。

復刻ゲーム機はブーム?

冒頭にも記載したように、近年はかつての人気ゲーム機を小型化した復刻商品が続々登場している。任天堂は16年11月に「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」、17年10月に「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」を発売。品切れでなかなか買えない事態を招き、ニュースとなった。このシリーズは、18年7月に「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」も発売されている。こちらは、集英社の週刊少年ジャンプが創刊50周年を迎えるにあたり、同誌にゆかりのある作品ばかりを集めた特別版だ。

SNKは、アーケードゲームファンに人気の高い同社の家庭用ゲーム機「NEOGEO(ネオジオ)」を復刻した「NEOGEO mini」を18年7月に発売。この12月にクリスマス限定版も発売するという。19年にはセガゲームスも「メガドライブ ミニ」(仮称)を発売する予定だ。また、方向性はやや異なるが、タイトーはゲームセンターにあった懐かしのアーケードゲームを復刻する「ARCADE1UP」シリーズを展開している。

この動きは国内に限らない。海外に目を向ければ、IBM-PC/AT互換機のMS-DOS時代のゲームを動かすコンソールや、米国コモドールから出ていた8ビットパソコン「コモドール64」のゲームを遊べるコンソールを復刻させる動きもある。

気づけば過去のゲームをハードウエア込みで復刻するのはブームと言ってもいい状況で、プレイステーション クラシックもこの流れに乗った製品の一つなのだ。この流れは今後も続くのだろうか。

今どきのスマートフォンに比べれば、20世紀に私たちを楽しませてくれたハードウエアの性能なんてたかが知れている。こう考えると、復刻は容易に思える。だが、テレビやディスプレーなど周辺機器ががらりと変わった環境で、ゲームファンが納得するほど再現性の高いものを作るのは意外と手間がかかる。メガドライブ ミニがより高い再現性を求めて発売を18年から19年に延期したのは、その難しさの表れとも言えるだろう。

数量限定で作るにしても、開発費を回収できるだけの売り上げを期待するなら、あまりマイナーな機種は難しい。当時のシェアや販売台数で言えば、「PCエンジン」が「もしかしたら?」といったところだろうか。オールドゲームファンとして、希望・妄想を膨らませているのだが、これをお読みのあなただったらどんなゲーム機の復刻を望むだろうか。

稲垣宗彦
 高校在学中からパソコン雑誌にてゲームレビューやイベントレポートを中心に、ライターとしての活動を開始。趣味であったゲームを仕事にしてしまったことを後悔しはじめた頃に、中学まで熱中していた釣りを再開。近年はアウトドア関連のほか、財布やバッグといった小物の記事など、節操なく手がける。

[日経トレンディネット 2018年11月27日付の記事を再構成]

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