謎だらけ 「深海のペリカン」フクロウナギの貴重映像
米国の深海探査船ノーチラス号に搭載された探査機のカメラに、不思議な生きものが映し出された。レンズの前で見事な泳ぎを披露したのが若いフクロウナギだ。
フクロウナギが泳ぐ姿はめったに見られない。動画に記録されている海洋学者たちの反応からも、そのことがわかるだろう。黒い風船のように口を膨らませたときは、驚きの声があがった。
大きな獲物でも飲みこめそうな口を持つフクロウナギだが、普段食べているのは小型甲殻類のようだ。歯がとても小さいため、口を大きく開けられるのは、食べものが少なくなった場合に大型の魚を食べるためではないかと考えられている。
フクロウナギは、ペリカンウナギとも呼ばれる。動画のフクロウナギは、一度口を膨らませた後、口をたたんで泳ぎ去っていった。深海で暮らすフクロウナギの生態は、ほとんど知られていない。
なぜ口を膨らませたり、しぼませたりするかも分かっていないが、メキシコ湾のフクロウナギの観察から、脅威を感じたときに、このような行動をとるのではないかと考える研究者もいる。
映像のフクロウナギは小さいので、まだ若いのではないかと考えられる。成魚になると、体長は1メートルほどになる。
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック 2018年9月26日付記事を再構成]
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