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「便器ゴシゴシ」は後回し 病気を防ぐ清掃術 病院の掃除指導30年の専門家に学ぶ(下)

日経おとなのOFF

2018/12/17

電化製品の周りも、ダニホコリの多いエリア。ここでは化繊ハタキやマイクロファイバークロスを使う。ただハタキを使うといっても、昔ながらのハタキかけではホコリをまき散らすだけ。1方向に静かに滑らせて、そっと拭き取るのがコツだ。ハタキやクロスは、使用後に水洗いしてホコリを取り、乾燥させるといい。

【エアコンのフィルターを台所用中性洗剤と歯ブラシで洗う】
エアコンのフィルターにはカビが繁殖しやすい。3 カ月に1回、台所用中性洗剤と歯ブラシで、フィルターの目に詰まったホコリとカビを洗い流す。その後、しっかりと乾燥させる。

■トイレは「床→便器」の順に

実は、家の中で一番病原ホコリの多い場所がトイレだ。衣類を着脱し、トイレットペーパーを使うため、それらからホコリが出やすいのに加え、換気扇が空気を引き込むため、廊下のホコリが吸い寄せられる。「このホコリに大腸菌などの病原が付着していることが多いのです。しっかり除去する必要があります」

だがトイレでも勘違い掃除をしているのが実情。便器を先に洗い、飛び散った水を拭きながら床の雑巾がけをしていないだろうか。松本さんによれば、「大きな間違い」

まず順番の間違い。最初にすべき掃除は、壁や床にたまったホコリを取り除くことだ。便器を先に掃除すると、床などに水が飛び散り、ホコリが濡れて、取りづらくなる。掃除の仕方も間違い。前述した通り、ホコリを濡れた雑巾で拭くと、床にホコリを塗り広げることになってしまう。


では、どうやってトイレのホコリを取り除くのか。狭いトイレで重宝するのが、窓拭きに使うスクイージー。滑りを良くするために5mm間隔に切り込みを入れ、床の奥から手前に引くと、ホコリがきれいに取れる。

病原体を減らすには、ホコリの除去以外に除菌も必要だ。重視したいのが、トイレ周りと畳、浴室の天井。トイレ周りの除菌は、大腸菌などに感染するのを防ぐ。ドアノブや照明のスイッチ、洗浄レバーなど、手で触るところを重点的に除菌したい。また畳の除菌はダニを除去し、浴室の天井ではカビの繁殖を防ぐことになる。

【トイレ周りの手で触る場所、畳、風呂の天井は除菌を】
トイレは胃腸の不調を引き起こす病原に感染しやすい場所。手から感染するので、ドアノブや洗浄レバーなど、手で触る場所を除菌シートで拭こう。便器の除菌は手で触る蓋と便座の手前だけで十分。また畳はダニの、風呂の天井はカビの繁殖場所。定期的に除菌しよう。


【風呂の天井と畳は自作“除菌棒”で除菌を】
手の届かない天井や面積の広い畳は除菌棒を自作して、3カ月に1回除菌しよう。作り方は簡単。突っ張り棒にタオルを巻いて厚みを出し、ビニール袋で覆う。その上にキッチンペーパーを巻き、消毒用エタノールを吹きつける。

(文 中村陽子、イラスト 二階堂ちはる)

松本忠男さん
医療環境管理士。プラナ代表取締役。亀田総合病院グループの清掃管理者を経て独立。病院清掃の現場で体得したノウハウをもとに医療、介護施設などで掃除指導を行う。著書に『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)など。

[日経おとなのOFF 2018年12月号記事を再構成]

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