コートの季節がやってきた。とはいえ一歩、着こなしを間違えると、野暮ったくみえてしまうのが悩ましい。今季、脚光を集めるツイードコートと、近年トレンド素材のムートンコートに今回は着目、そのスタイリッシュな纏い方を研究した――。
【 ツイードコートはワントーン主義 】
クラシック回帰の流れから、ツイードコートが久々に脚光を集めている。温かみある 表情がその魅力だが、ともすると野暮ったく見えがちだ。ゆえに全体のトーンを統一し、 都会的に着こなすのが正解だ。成熟した男こそ似合うのでぜひトライしてほしい。
■STILE LATINO(右)
英国の正統感とナポリの軽快感をひとつにした1着。英国伝統のガンクラブチェック柄ツイードをはじめ、ほどよくゆとりのあるシルエットやベルテッド仕様など、旬の要素が満載。ツイーディながら軽く柔軟であり、得意のアンコン仕立てと相まって、羽織るような着心地が味わえる。
■POLO RALPH LAUREN(左)
絶妙なモダナイズでクラシックを洒脱に刷新。保温性に優れる厚手の本格派ヘリンボーン柄ウールツイードを用い、しっかりとした肩パッドで構築的に仕立てられた正統派チェスターコート。ミリタリーテイストのエポーレットを追加し、ボタンを開けてもバランスがいい前合わせの浅いダブルブレストを採用するなど、モダンなアレンジも凝らされている。ビジネスシーンはもちろん、休日にもエレガントに着こなせる、頼れるワードローブだ。
■LORO PIANA
ナポリの男が日曜のミサで着たコート“カプテッラ”をモダンにアレンジ。モダンかつ軽快に着こなせる。ウールアルパカ混生地で包みこむような着心地だ。
■AUSTIN REED
紳士の定番バルマカーンコート。イタリアはプレイ社のツイード素材を用いており、ブークレと呼ばれるカールした糸が立体的で高級感のある豊かな表情を演出。大きな上襟が特徴であり、スーツはもちろん、ジャケット代わりにニットへ羽織るなど、幅広いコーディネイトに活躍するワードローブとなるはずだ。