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「デート商法」で不動産を購入 契約は取り消せるか? 弁護士 志賀剛一

2018/12/6

写真はイメージ=PIXTA
Case:46 35歳の独身男性です。婚活サイトで知り合った女性と何度か食事に行っていたのですが、その女性から突如ワンルームマンションへの投資を勧められ、銀行でローンを組んで購入してしまいました。ところが、その後女性と連絡がとれなくなりました。契約を取り消してローンも支払わなくてよいようにしたいのですが、可能でしょうか。

■クーリングオフ制度の適用、まず確認を

これはいわゆる「デート商法」と呼ばれる手口と思われます。街頭での声掛けや電話勧誘を契機に、異性の魅力を利用して言葉巧みに店舗に呼び出し、絵画や宝石などの高額商品を買わせるデート商法は昔からありましたが、最近はSNS(交流サイト)や婚活サイトなどが利用され、商品もワンルームマンションや金融商品などさらに高額化しています。

本来、成人が締結した契約は「本人の自由意思に基づいてなされたもの」と解されるのが原則で、購入したマンションの説明に虚偽があった、あるいは購入に当たり相手から脅されたなど、民法上の詐欺や強迫に当たるような事情がない限り、デート商法であるからといって直ちに契約が取り消されることはありません。

しかし、売り主が宅建業者で、契約場所が宅建業者の事務所以外などであれば、宅建業法上のクーリングオフ制度を使い、申し込みを撤回することができます。このコラムのCase:20「50万円のエステコース 3回利用したけど解約可能?」にも登場したエステティックや貴金属や絵画の購入などに適用があるクーリングオフ制度は、実は不動産にも適用される場合があるのです。

デート商法の場合、喫茶店などで契約が行われる場合も少なくないので、これが使えれば無条件に解除できます。ただし、売り主からクーリングオフできることを書面で告知されてから8日以内に行使しなければなりません。相手もそれがわかっているので、クーリングオフ期間が満了するまであえて連絡をとれなくすることがあります。もしクーリングオフの期間が過ぎてしまっていても、手付金を放棄して契約の解除をすることが可能ですが、物件の引き渡しなどが済んでしまっていれば、この方法も使えません。

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