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2020年から見える未来

選手村マンションは「パラ仕様」 車いすで楽々出入り バリアフリーの新たな標準となるか

2018/12/6

1万2000人が住む巨大な街が誕生する(イメージ図、ハルミフラッグの発表資料より)

五輪・パラリンピックの選手村を改修して東京都中央区に2024年完成するマンション「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」。もともとパラリンピアンが使いやすいように設計されたため、通路幅やスロープの勾配などのバリアフリーは従来のマンションに比べてはるかに徹底している。超高齢化が進む日本において、マンションの新しい標準となる可能性がある。

■エレベーターはほぼ正方形

共用廊下は車いすと歩行者がすれ違える幅を確保する(ハルミフラッグの発表資料より)

車いすに乗って外出するケースで、従来のマンションと比べてみたい。ちなみに日本で使われている標準的な車いすの幅は60センチ前後、電動と手動のいずれの場合も操作するには70センチ以上の幅が必要だ。

まず玄関のドアを開けると、各戸をつなぐ共用廊下に出る。ハルミフラッグの廊下幅は1メートル50センチ。大会組織委員会が選手村などの設計のために作成した「アクセシビリティ・ガイドライン」によれば、車いすが歩行者とすれ違える広さだ。廊下の途中で忘れ物に気付いても、その場で旋回して向きを変えられる。

一方、通常のマンションの廊下幅は1メートル20センチ。横向きになった歩行者とぎりぎりすれ違える広さしかなく、もしつえをついた高齢者が向こうから歩いてきたら、車いすの人はそのまま前進するのをためらうだろう。

次はエレベーターだ。ハルミフラッグの場合、共用廊下から独立したエレベーターホールが各階に設けられているため、乗り降りする人で混雑する心配は少ない。それに対し、通常のマンションは共用廊下がそのままエレベーターホールになっていることが多く、スペースも狭いため、車いすが立ち往生する恐れがある。

2基あるエレベーターの1基は大型で正方形をしているため車いすで出入りしやすい(ハルミフラッグの発表資料より)

エレベーターの大きさや形状もポイントだ。ハルミフラッグには13人乗りと17人乗りの2基が並んである。それぞれ具体的な寸法は明らかでないが、17人乗りという大きさはマンションでは珍しい。さらに開発を担う中心的事業者である三井不動産レジデンシャルによれば、「正方形に近い形のため車いすで使いやすい」という。

それは通常のマンションを思い浮かべると分かりやすい。たいていのエレベーターは縦に細長い形になっている。急病人を運ぶ担架をスムーズに入れるためだが、車いすにとっては非常に不便だ。最初にエレベーターに乗り込むと、降りるときに後から乗ってきた人にどいてもらわなければならないし、逆に後から乗ると入り口をふさいでしまう。

■介助者なしでスロープ上り下り

エレベーターで1階に到着した後は、スロープを使って建物の外に出る。ハルミフラッグの勾配は1/20(5%)以下。高低差が10センチとすると、水平方向の距離は2メートル以上になる。個人差があるので一概にはいいにくいが、介助者がいなくても手動車いすで上り下りできる。

それに対し日本のバリアフリー法は1/12(8.3%)と定めており、多くのマンションはこれに準拠している。10センチの高低差に対して、水平方向の距離は1メートル20センチだ。腕の力が弱い人の場合は介助者が必要となり、一人で外出するのは難しい。

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