インデックス型投信、信託報酬・純資産総額の確認を

日経マネー

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA
日経マネー

株式投資ほどのリスクは取れないが、分散投資でリスクを下げつつ少しでも資産を殖やしたい。こんなニーズに応えた商品として、投資信託が人気を博している。ただ、一口に投信といっても中身は多種多様。自分に合った商品を見つけるには、どうすればいいのか。投信初心者の疑問をプロが分かりやすく解説する。

◇  ◇  ◇

Mさん(以下、M) 、雑誌や新聞でインデックス型投資信託(国内外の株式や債券などで市場平均並みの運用成績を目指す投信)の記事をよく見かけます。でも、記事によってお薦めの投信が微妙に異なっていて、どれが一番いいのかよく分かりません。

吉井崇裕(以下、吉井) インデックス型投信は、ここ数年で商品数が急激に増えています。ETF(上場投信)やファンドラップ専用投信、インデックスタイプのバランス型投信を除いても、500本近くあるようです。

M インデックス型を選ぶポイントを調べてみましたが、信託報酬や純資産総額、長期の運用実績など識者の言うこともバラバラで、何を優先すればいいのか……。

吉井 投信業界では、インデックス型の良しあしを測る時に、市場の平均的な値動きを示す指数との連動性の高さに注目するのが一般的です。これはトラッキングエラーという数値で表されます。ただ、指数の正しいデータがないと算出できないので、個人投資家がそこまで調べるのは難しいでしょう。

M では、どうすればいいですか。

吉井 同じ指数に連動するインデックス型の中で、信託報酬が低いものを選ぶのが分かりやすい方法です。指数との連動性に最も大きな影響を与えるのが信託報酬だからです。表は、先進国株式市場の代表的な指数であるMSCIコクサイインデックスに連動する投信を、信託報酬が低い順に並べたものです。過去のトータルリターンを比べると、信託報酬が低い投信ほど、より高いリターンを残す傾向が表れています。

M インデックス型は、運用年数が短くてもコストが低いものを選んだ方がいいということか。では信託報酬が同じ水準の場合は、どう考えますか。

吉井 投信の直接の投資先となるマザーファンドの純資産総額が大きいものを選ぶといいでしょう。その純資産が大きいほど、株式や債券などの売買にかかる手数料や資金の流出入の影響が軽微といわれています。さらに同じマザーファンドに投資している投信(ベビーファンド)の商品数が多く、分散されているとより理想的ですね。

M なぜですか。

吉井 マザーファンドの純資産が特定のベビーファンドに偏っていると、その商品の資金流出入に左右されやすくなるからです。

M マザーファンドの純資産やベビーファンドの情報はどこで調べればいいですか。

吉井 投信の運用報告書(全体版)の最後の方に記載されています。

M インデックス型はまず信託報酬、次にマザーファンドの純資産を見るということですね。例外はないんでしょうか。

吉井 もちろん多少の例外はありますが、実際のところ、信託報酬が同じならリターンの差はかなり小さいです。説明責任を負う機関投資家ではないので、基本を押さえた上で、おおらかな気持ちで選んでいいと思いますよ。

吉井崇裕
イデア・ファンド・コンサルティング社長。ファンド・アナリストとして、国内約6000本の投資信託を常時分析する。モーニングスター、三菱アセットブレインズにてファンド・アナリスト、朝日ライフアセットマネジメントにて販売および運用関連業務に従事。現在は神奈川県鎌倉市で個人投資家向けに投資助言サービスも行う。http://ideafc.co.jp/

[日経マネー2019年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2019年 1月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし