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認知症予防がコンセプトの新保険 早期発見促す仕組み

日経マネー

2018/12/21

写真はイメージ=PIXTA
日経マネー

2025年には、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症有病者になるといわれています(内閣府「平成29年版高齢社会白書」から)。現在の医学では、認知症から正常な状態への回復は困難とされていますが、兆しを早期に発見して適切な対応を行うことにより、回復が見込めたり発症を先延ばししたりできることが明らかになってきています。

従来の認知症保険は、所定の要介護状態などに該当した時に現金給付されるもので、予防や早期発見で発症を抑えると給付を受けられないというジレンマを抱えるものでした。しかし最近では、認知症予防をコンセプトにした保険が相次ぎ発売されています。代表的な2商品を表に挙げました。

「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」は、骨折治療保険と認知症一時金特約を基本保障とするものです。認知症予備軍といわれるMCI(軽度認知障害)を保障対象とすることで、早期発見の誘因にしているのが特徴です。

骨折を機に認知症を発症あるいは悪化しがちなことから、請求漏れが起きにくい骨折の保障を組み合わせることでMCIリスクの高い人との接触機会をつくり、できるだけMCI段階での給付に結び付ける仕組みになっています。

同保険を提供する損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は、SOMPOホールディングスのグループ会社。SOMPOでは提携企業21社と共に「SOMPO笑顔倶楽部」というサービスを提供しており、同保険の契約者は認知機能チェックや認知機能低下予防サービスなどが受けられます。

太陽生命保険の「ひまわり認知症予防保険」は、所定の認知症に該当した時の保障に加えて、予防活動などに使える給付金を定期的に受け取れるのが特徴です。

契約後1年経過した時に初めの予防給付金が受け取れ、その後も所定の認知症に該当しない限り、2年ごとに同給付金がもらえます。この資金を使って、提携企業が提供するMCIスクリーニング検査や、ウオーキング体験ツアーなどを利用することを契約者に推奨しています。

保険を通じて認知症への理解を促し、早期発見や予防につなげる意義は大きいといえます。

内藤眞弓
生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2019年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2019年 1月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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