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キャリアコラム

「ゴーン問題」機に見直せ 日本の報酬メンタリティー マーサージャパン 井上康晴プリンシパルに聞く

2018/12/5

日産自動車のゴーン元会長の逮捕で役員報酬のあり方に関心が集まっている

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者による報酬過少記載事件を受け、役員報酬のあり方にあらためて関心が集まっている。日本でも外国人の経営幹部を中心に、1億円を超す高額報酬を受け取る例が増えているからだ。適正な報酬水準や情報開示はどうあるべきか。人事組織コンサルティング大手、マーサージャパン(東京・港)で役員報酬やコーポレートガバナンスを担当する井上康晴プリンシパルに聞いた。

■ゴーン元会長の報酬は高すぎるのか

日本では2011年3月期から上場企業に、年間報酬が1億円以上の役員の氏名と報酬額の開示が義務付けられた。日産の有価証券報告書によると、ゴーン元会長は11年3月期から17年3月期まで毎年10億円前後の報酬を得ており、高額報酬ランキングの常連だった。この水準について社内外から「高すぎる」との批判があったとされる。

今回の逮捕容疑は、これに加え、毎期ごとに報酬約10億円を将来受け取ることが確定しているのに、有価証券報告書に記載しなかったというものだ。ゴーン元会長は「報酬の支払いは確定していない」と容疑を否認しているが、もし仮に検察側の主張が正しいとすれば、ゴーン元会長の年間報酬は約20億円前後ということになる。

この水準は高すぎると言えるのか。井上氏は「たしかに日本企業の経営者の報酬と比べると高いが、日産のようなグローバル企業であれば、決して高い水準とは言えない」と話す。マーサーが主要国の株価指数に採用される大企業の最高経営責任者(CEO)の報酬水準を調べた数字がある(2015年度)。それによると、日本企業(TOPIX Core30)の報酬水準(対象企業の中央値)は1億6100万円だったのに対し、米国企業(S&P100)は20億4053万円だった。ゴーン元会長の報酬は米国ではまさに平均的な水準といえる。

出典:MERCER Global Disclosure Database,Japanese Disclosure Database

井上氏は「スポーツ選手と比べるとわかりやすい」と説明する。海外では優れた経営者は一流のスポーツ選手と同様、ごく限られた人材であり、才能と同時に幾多の困難を乗り越えて培った経営手腕には、相応の報酬が与えられるべきだという考え方がある。経営者は高い報酬を得るからには結果を出す必要があり、株主との健全な緊張関係によって高収益を維持すべきだという考え方だ。

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