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共働き夫婦、子はどちらが扶養? 節税と家計見極めて

2018/12/8

写真はイメージ=PIXTA

子どもなど親族を養うための扶養制度。共働き世帯では子が生まれたら両親どちらの扶養に入れるべきなのでしょうか。そもそも「扶養」の考え方は、税金面と健康保険などの社会保険面では異なります。それぞれの制度を整理して考える必要があります。

まず税金面で扶養する対象とみなされるのは配偶者以外の親族です。「扶養控除」という制度があり、子や親を養うときの経済的負担をやわらげることができます。

扶養する相手1人当たり所得税で原則年38万円、住民税で33万円を所得から控除でき、その分税額が軽くなります。会社勤めで扶養する家族がいる場合、年末調整時に配られる「扶養控除等申告書」に記載することになります。

扶養控除の対象となる親族には16歳以上という年齢条件があります(図)。15歳までは児童手当(または特例給付)の対象となり、扶養控除の対象からは外れます。年間所得が38万円以下という条件もあります。収入が多いと独り立ちできるとみなされて対象から外れます。

住民税には扶養控除とは別に「非課税限度額制度」があります。所得が基準となる金額より少ない人は住民税を払わなくていい制度です。子どもらを扶養している場合、その人数が多いほど基準額は高くなり、非課税になりやすい仕組みになっています。

東京都23区で例えば子を2人養っている場合、住民税額がゼロとなる所得は126万円以下(所得38万円以下の配偶者がいない場合)。会社員なら給与所得控除を考慮すると年収ベースで約200万円まで非課税になります。同制度では年齢条件はなく、幼い子も人数に加えられます。

子を夫婦のどちらの扶養に入れるかについて、所得や働き方などによる基準はありません。税理士の柴原一さんは「収入差がある場合、あえて年収の低い方の親の扶養に入れて、住民税を非課税とすることも税法上は可能」と話します。

住民税が非課税だと自治体によっては検診や予防接種を無料で受けられるなどの補助があります。ただし、収入の高い親の扶養に入れる方が家計全体の負担が少ないケースもあるので、収入と負担を合わせて見極めましょう。

■健保「被扶養者」は異なる基準

次に健康保険制度を見てみましょう。会社員が加入する健保組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、養っている家族を「被扶養者」と呼び、保険適用の対象に加えられます。配偶者を含め年収が130万円未満といった条件があります(図)。

夫婦が共働きで別々の会社に勤めている場合、どちらの会社の健保組合で子を扶養に入れるかは考えどころです。健保組合によって独自の付加給付サービスの内容に差があるからです。ただ、こうした夫婦に対しては年収の高い方が加入する健保制度に子を入れるよう求める会社が多いようです。

子どもの扶養を税制と健保制度で別々に分けることも法律上は可能です。これについて社会保険労務士の井戸美枝さんは「別々にすることを社内規則で制限する企業もある」と言います。判断に迷ったら勤め先に確認しましょう。

[日本経済新聞朝刊2018年12月1日付]

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