シニア世代 コミュニケーション術は異性から学べ経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
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リタイアしたシニア男性は一般的に同世代の女性に比べてコミュニケーション能力があまり高くないといわれます。男性はビジネス社会に長く居たために上司や部下といったタテのコミュニケーションにはたけていますが、フラットな関係であるヨコのコミュニケーションが苦手だからです。ところが女性はこの力が優れています。

一般に男性は何か目的があって、それを解決したり達成したりするための手段としてコミュニケーションを行う傾向があります。これに対して、女性はコミュニケーション自体が目的であり、それを楽しむことができるという特徴があるようです。

男性は会話を楽しむ能力を身につける

会社のような目的合理性を第一に考える組織においては女性のようなやり方はしばしば無駄が多いと思われるかもしれませんが、リタイアした後の人間関係や交遊関係は、やり取り自体を楽しむことがむしろ大切です。

ではリタイア後の男性がこうした能力を身につけるにはどうするか。私が勧める一つの方法は「異性の友達を持つこと」です。

私自身、退職した後に知り合った多くの友人の中には男性だけではなく女性もたくさんいます。複数の男女が同じ場で会話を楽しむ機会も多く、そうした場を通じて実に巧みな女性同士の会話術を学ぶことができました。

考えてみると、男性にしても女性にしても一定の年齢になってくると自分の周りの異性は家族やパートナーか、あるいは仕事関係の人しかいないというケースが案外多いではないでしょうか。でも、それらとは違う、フラットな人間関係として異性の友人を持つことは様々な効用があります。

もし男性が女性のように知らない関係の人とでもすぐに親しくなれるとしたら、妻が夫に対して持っているコミュニケーション不足の不満はある程度解消されるでしょう。

定年後に妻とのコミュニケーションがなかなかうまくいかず、疎外感を味わう男性も少なくありません。妻というのはあまりにも身近な存在であるため、ややもすれば「何もいわなくてもわかるはず」と思って、「伝える」ことがおろそかになってしまっているケースもあります。