コツコツ贈与で相続節税 2つの方法駆使し効果アップ「暦年」と「都度」

そこで考えたいのが孫への贈与だ。このルールの対象になるのは相続で財産をもらう人だけ。法定相続人ではない孫は、遺言で特別に指定しない限り対象にならず、贈与の節税効果を生かせる。ちなみに年300万円超を贈る場合、孫が20歳以上なら直系子孫への「特例贈与」の扱いとなり贈与税率は低くて済む。

死亡保険活用も手

「贈与して大金を持たせると浪費してしまうのでは」と心配する人は、生命保険を活用してお金を引き出せないようにする手がある。図Dのように、子どもに毎年110万円ずつ贈与し、それを保険料として子どもが支払う。親が亡くなったときに死亡保険金を受け取る契約にしておく。

この死亡保険金は「一時所得」となり所得税がかかるが、保険料などを差し引いて計算するので一般に実効税率は高くない。相続税で法定相続人1人につき500万円ある死亡保険金の非課税枠にも影響しない。

最近は暦年贈与の手続きを一部代行する金融商品やサービスが増えてきた。

三菱UFJ信託銀行の暦年贈与信託「おくるしあわせ」は年1回、金銭信託の残高の一部を贈与。同行を通じて贈与する人とされる人が書面で意思確認する。

三井住友海上プライマリー生命保険の一時払い終身保険「やさしさ、つなぐ」は円やドルなどで運用しながら年1回「生存給付金」を贈与できる。この2年余りで販売額は約8500億円に達し、契約者の平均年齢は77歳。同社は「団塊世代が贈与を考える年齢に差し掛かりニーズはさらに高まる」(商品・マーケティング部)とみる。第一フロンティア生命保険が9月に発売した競合商品「プレミアストーリー2」も2カ月で250億円を集めた。

野村証券の「暦年贈与らくらくパック」は、同社口座間で株式や投資信託を贈与できる無料サービスだ。年間で約2万人が約600億円を贈与している。大和証券も7月、3千万円以上の投資一任契約で年1回、運用資産を換金して贈与するサービスを始めた。

18年分の暦年贈与の期限は12月末で、年が明ければ19年分の贈与ができる。いずれ相続税がかかりそうな財産があるなら、まずはこの2年分の暦年贈与から節税対策を組み立ててはどうだろうか。

(表悟志)

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