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ダイバーシティは競争力 「ハゲタカ」が目覚めた理由

米投資ファンドKKR創業者に聞く

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NIKKEI STYLE

マネーの力で企業を売り買いする投資ファンドは、米国でも指折りの男性優位の職場だった。最大手のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は女性の採用拡大などダイバーシティ(人材の多様化)を経営の重要課題に据えている。ヘンリー・クラビス創業者に狙いを聞いた。

――KKRは十分に成功してきた。なぜダイバーシティが必要なのか。

「同じような考え方をする人間ばかりでは、グループシンク(集団浅慮)に陥り、自然とバイアスがかかる。多様な視点を持ち込むためには、人材を多様化しなければならない。投資は好奇心がなければ成功しない。多くの情報を得られないと投資機会を失う」

「42年前に3人の男性で会社を起こし、女性やマイノリティー(少数者)の活用は遅れていた。取り組みに動いたのは12年前にESG(環境・社会・統治)投資を考え始めたころだ。ミレニアル世代も台頭し、考え方を変えなければならなかった」

――米国の女性管理職比率は4割超。KKRは21%になったが、どう取り組んできたのか。

「ダイバーシティについて議論しない週はない。11人の役員からなる『インクルージョン(包括)・アンド・ダイバーシティ委員会』が採用と保持の柱だ。管理職に何度も重要性を語って教育し、組織を多様化できたかを評価対象にしている。商業的な成功やリーダーシップとともに文化や価値の項目も評価する」

「数値目標はないが、30%というのが女性やマイノリティーが会社に大きな影響をもたらす割合だろう。人材の質も重要なため、候補を提案する際には、男性などの他の候補も同時に提案するよう求めている。取締役会でも30%に届くだろう」

――社内はどんな環境にすべきか。

「社員に働き続けてもらうことは採用より難しい。まずはワークライフバランスだ。投資ファンドは伝統的にマッチョなスタイルで、男性が長時間労働などで強さを競っていた。男性は遅くにビールを飲みに行き、早く帰宅する女性は罪の意識や疎外感を感じていた」

「同じ仕事なら同じ報酬を約束したうえで、柔軟に働けるシステムが必要だ。在宅での仕事も取り入れ、担当の変更も希望に沿って認める。離職する女性に理由を聞くと、(不満があっても)声を上げていないことに気づく。メンター制度では幹部がそれぞれ複数人を担当し、私はマイノリティーの女性を選ぶようにしている」

――育児支援策ではどんな制度をもうけていますか。

「子供を産んで最初の1年は、出張する際にベビーシッターを連れて行ってよいし、費用を会社が支払う」

「文化も大事だ。40周年に『40フォー40』という取り組みを始めた。40時間は有給でチャリティーに時間を費やせる。シリアの難民を支援したり、ハリケーン後の清掃をしたりしている。この活動は続けたい。ミレニアル世代は、お金を稼ぐだけでなく、人生を意味あるものにしたいと考えている」

――日本企業はダイバーシティで遅れている。

「10年ほど前、ある企業の幹部100人に講演した際、女性は後ろでコーヒーをついでいる人だけだった。海外拠点が多いのに国際企業ではない。日本は高齢化で移民を受け入れるか女性をもっと活用しなければならない。多様化の段階に入っているが時間はかかる」

米金融界、男性中心から転換

男性中心の文化だった米金融界が人材の多様化にかじを切っている。優秀な人材が多様化が先行するIT(情報技術)産業や起業を選ぶようになり対策が欠かせなくなった。ダイバーシティが経済的な価値を生むという認識も浸透してきた。

米人材会社ボールトの調査では、インターンで人気の企業は1位がグーグル、2位がアップルと上位はITが独占した。金融ではゴールドマン・サックスが6位、JPモルガンが8位だった。

人材を確保し、ビジネスを成功させるためには多様化が欠かせないとして、ゴールドマンは11月、新たに選んだ69人のパートナーのうち、26%に相当する18人を女性にした。4年前の2倍の水準になる。最終的には従業員の半数を女性にする目標を掲げ、まずは2021年までに新入社員の比率で達成する方針だ。

多様化の効果を分析する調査も金融界の動きを後押ししている。ハーバード・ビジネス・レビュー誌が8カ国の企業を対象に、性別や年齢、国籍、教育などの違いと業績の関係を調べたところ、多様化した企業ほどイノベーションが多く、利益率も高かった。

社会の風潮におされて表面的に女性などマイノリティーの人数を増やすのではなく、企業の競争力に欠かせないという認識が広がっている。

日本、人種や国籍も意識を ~取材を終えて~

クラビス氏は、アイスホッケーの著名選手の名言にしばしば言及する。「パックのあった場所ではなく、向かう先に動く」。変化を先取りする力が、業界トップを走り続ける力の源になってきた。

1980年代にはM&A(合併・買収)ブームの主役となり、「バーバリアン(野蛮人)」とも呼ばれた。経済的な利益を追う時代が2008年の金融危機で転機を迎えると「社会との共生」に重きを置き、ESG(環境・社会・統治)投資に力を入れている。時代を読む目は的確だ。

ダイバーシティは性別にとどまらない。米国では自然と人種や国籍に目が向くが、海外展開する日本企業は意識的に広く捉える必要がある。経営層に外国人も採用しなければ、ビジネス上でも成功はおぼつかない。クラビス氏は「投資する日本企業にも当然、多様化を求める」と話す。

(編集委員 松崎雄典)

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