つみたてNISA、多くの投信含み損 継続がポイントQUICK資産運用研究所 高瀬浩

三菱UFJ国際投信の荒武秀至・戦略運用部チーフエコノミストは向こう10年、米国株には強気の見通しを示している。「今後10年、米国が世界経済をけん引する構図は変わらない。利上げは慎重に行われ、景気失速は回避される。2022年以降は再び金融緩和に転じ、景気も株式市場も新たな拡大期に入るだろう」

その一方で、「日本株や新興国株、欧州株には米国株ほど強気になれない」という。「特に日本では来年10月に予定されている消費税率引き上げ後は、消費の冷え込みが懸念される。現在の米ドル・円相場は日米の物価差に着目すると相当な円安水準にあり、日銀の政策変更など何かのきっかけで円が急騰するリスクをはらんでいる」とみる。

井出氏は「どこの国のどんな業種のどんな銘柄が有望かは時期によって変化するため、日米や世界の株式に分散する形での長期投資を早くから始めることが得策」と話す。

始めて続けないと成功体験味わえず

いずれにせよ、含み損が生じてもいずれ上昇に転じるのを信じて購入を継続しない限り、成功体験は味わえない。リスクを取らなければリターンが得られないのが資産運用の鉄則だ。

金融庁が公表した6月末時点のデータによると、つみたてNISAは約69万口座が開設された。制度開始1年間で100万口座の大台に乗せそうな勢いだ。

年齢別には20歳代~40歳代で3分の2を占めるなど、「長期・積み立て・分散」を特徴とする投資スタイルが若年層にじわり広がり始めていることがうかがえる。米中貿易摩擦の緊張緩和を受けた足元の株価上昇で投信購入者の損益の改善は進んだとみられるが、少額投資の初期段階で元本割れを経験しておくのは将来の成功体験の布石ともいえるだろう。

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