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つみたてNISA、多くの投信含み損 継続がポイント QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2018/12/5

今年1月から始まったつみたてNISAは若年層に広がっている

今年1月から始まった積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)。もうすぐ1年になるが、10月以降の世界的な株価下落が響き、制度を利用して投資信託を購入した人の多くは含み損を抱えているとみられる。ただ、積み立て投資はタイミングを計らずに機械的に決まった日に一定額を購入し、下がった局面でも買い続け、将来の値上がりをじっと待つ手法。元本割れはあまり気にせず、淡々と購入を続けられるかどうかが最大のポイントになる。

つみたてNISAでは個人が長期にわたる資産形成を安心して行えるよう、対象ファンドの信託報酬に上限値を設定するなど厳しい条件が課されている。

■平均リターンは1~2%のマイナス

対象ファンドについてこれまでの成果を振り返ってみよう。購入開始日を1月末、4月末、7月末からの3つのケースに分け、10月末まで毎月末の基準価格で一定額購入を継続したとして、11月29日の時点のリターンを計算した。リターンは保有時価から投資元本を差し引いた損益額を元本で割った比率になる。

その上で、ファンドを主な対象別に日本株、海外株(全世界株)、バランス型の3種類にグループ分けし、各グループでのリターンを平均、最高、最低として表Aにまとめた。

表Aが示すように、どの月にファンドの購入を開始したとしても、全ファンドの平均リターンは1~2%のマイナスだ。多くが含み損を抱え、元本割れしていることを示す。リターンが最高となったファンドは海外株型の3.5%。日本株ファンドのリターンは最高でもマイナス0.1%と振るわない。

リターンだけを見ると厳しい状況だが、制度は始まったばかり。投資額もまだ小さい。つみたてNISA対象ファンドの購入費用はすべて無手数料(ノーロード)なので、手数料分さらに損をする心配はない。

それでは、個別ファンドの損益はどうなのか。仮に年40万円の非課税枠を目いっぱい使うとして、毎月3万3333円でファンド購入を1月末から開始した場合の損益額について、主な投資対象ごとに上位と下位5本をピックアップしたのが表Bだ。4月末、7月末から毎月同額で購入開始した場合の損益額も併せて表示した。

■日本株が投資対象のファンドは苦戦

投資対象別に見ると、海外株(全世界株)、バランス型は損益がプラスのケースがある一方、日本株は全ての損益がマイナスとなっており、苦戦が目立つ。もっとも、こうした状況は金融市場の動向次第で、今後変化する可能性があることには注意したい。

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