「市場としては全体として伸びてくるでしょう。ただ、そのなかにいろんなブランドがあります。データを見ると、カジュアル、スポーティー、アイコニックといった領域はほかに比べて成長の可能性が高いといえます。あとは価格が5000ユーロ以上の時計が伸びています。カジュアルとスポーティー、そして価格の高いアイコニックなセグメントの製品は日本でも他のよりポテンシャルがあるとみています」
――ダイバーズウオッチをはじめとするスポーティー分野で競争が激化しています。
「パネライのオリジンはダイバーズウオッチにあります。1936年から手がけており、当初はイタリア海軍のダイバーのための時計でした。任務の際、容易に表示が読める必要から、おのずとシンプルな時計となりました。誤作動防止のためのレバーロック式のリューズプロテクターも我々の特徴です」
■イタリアのデザイン×スイスのメカ
「時計のフォルムも特徴の1つです。市場の8割の時計は丸い形ですが、パネライは丸ではなく、いわゆる『クッション形』です。このフォルムはわが社唯一のフォルム、デザインです」
「さらに高級時計専業メーカーでイタリアのブランドは事実上、当社だけです。すべてのデザインはミラノのオフィスで自社のデザインチームが手がけています」
「製造はスイスのヌーシャテルの自社工場で行っています。工場には230人を配置していて、うち約半分は時計職人です。ムーブメント(駆動装置)からすべてを自社一貫で製造しています。パネライはデザインだけでなく、独自の技術を持っていますから」
「さらに他社と異なる特徴としては、新しい素材に取り組む能力を持っているところでしょうか。炭素繊維、ブロンズなどの素材を他社に先駆けて採用してきました。最新の素材としとしては金属ガラスがあります。さらに3Dプリンターによるチタンの積層で、ケース内部を中空構造にして、ケース径47ミリメートルで重さ100グラム以下を実現しました」

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