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音楽フェス動員数は頭打ち? 無料生配信でファン開拓

日経エンタテインメント!

2018/12/12

今や音楽フェスは年間を通して開催される定番イベントの1つ。そこで2018年に開催した音楽フェスの動員数を調査し、ランキングを作成したところ、1位は27.6万人を集めた「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」だった。各フェスが取り組んでいる動員施策で、近年増えているのが動画配信サイトを利用した「無料生配信」。動画で疑似体験してもらい、行きたくなる人を増やそうとしている。

2018年1月1日~10月15日までに国内で開かれた音楽フェスが対象。動員数は、各フェスの公式発表の数値。※はフリースペースを含む人数

「音楽フェス動員数ランキング2018」の1位は「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」(27.6万人)。茨城県ひたちなか市で行われ、ロックにJ-POP、女子アイドルまで様々なジャンルの邦楽アーティストが出演する。18年はキャリア45年で初の夏フェス出演となった松任谷由実も名を連ねた。

2位は「a‐nation」(18.8万人)。17年は、味の素スタジアムでの東京公演のみだったが、今年は大阪、長崎でも開催するなど規模を拡大(三重公演は台風で中止)。東方神起や浜崎あゆみなどが、ヘッドライナーを務めた。

3位は「サマーソニック」(13万人)。千葉・幕張メッセと、大阪・舞州スポーツアイランドで同時開催する都市型フェスで、今年はベックなどのベテラン勢に加え、チャンス・ザ・ラッパーなどの若手も出演した。

トップ10を見ると、17年と比べて横ばいのものが多く、動員を減らしたフェスもある。スタートから10年、20年が経過した老舗では、新たな客層の開拓も課題だ。そこで、各フェス共に近年様々な動員施策に取り組んでいる。

■フジロック初の無料生配信に大反響

新潟県・苗場スキー場で行われ、今年22年目を迎えた4位の「フジロックフェスティバル」は、16年から中学生以下は保護者同伴であれば無料に。5位の音楽とアートのカルチャーフェスとして横浜みなとみらいで開催する「GREENROOM FESTIVAL」は、物販エリアを年々拡大することで客層の幅を広げている。他にも、7位のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」は、18年から携帯電話でのステージ撮影を限定解禁、SNSによる宣伝効果を生んでいる。

近年、徐々に広がりを見せるのが、動画配信サイトを利用した「無料生配信」だ。「フジロックフェスティバル」は今年初めて実施。YouTubeに2つのチャンネルを設け、視聴者数が6万人を超える時間帯もあるなど、大きな反響があった。

無料生配信で先行するのは14年のスタート時から行っている「ULTRA JAPAN」。その意図を、同フェスの担当者は、「会場に来てもらえなくなるのではという意見もありますが、結局、フェスには来る人は来るし、来ない人は来ない。動画で疑似体験をしてもらい、行きたくなる人を1人でも増やすことに注力している」と明かす。配信チャンネルも年々増やしており、YouTubeに加え、16年からは若者層を意識してLINE LIVE、18年は新たにTwitchでも生配信を行った。

今後、他の音楽フェスでも無料生配信は、動員施策の1つとして注目を集めそうだ。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2018年12月号の記事を再構成]

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