レクサスが挑む 脱「ドイツ」的クルマの未来

ましてや、この先に否が応にもやってくるパワートレーンの電動化なんて話になると、バッテリーだのモーターだのと積むものは増えるわけですから、少しでも車体に白場(しろば=自由に使えるスペースのこと)があった方がいいわけで、車体のど真ん中に駆動シャフトを通すFRアーキテクチャーはスペースユーティリティー的には確実に不利なわけです。

こうなるとドイツ勢を除くプレミアムブランドは、これまでの三本柱を守り続けるべきか難しい決断を迫られることになるでしょう。恐らくはレクサスだけでなく、ジャガーもキャデラックも、今後のパワートレーンの変化に乗じてまったく新しいラインアップの構成を考えることになるのでは……というのが件の私感でございます。

ちなみにESはGSよりもちょっと大きい車格をして、LSと同等以上という広大なスペースを有しています。FFアーキテクチャーで全車ハイブリッドゆえ、駆動用バッテリーを搭載していてもトランクはゴルフバッグ4つを余裕で飲み込むほどです。つまり、今までの三段階のヒエラルキーに対してスペースユーティリティーという実利をもって勝負に出たのがESということになるでしょう。

新しいパッケージに伝統のイメージ

そしてこの後、年末に発売されたもう一つのニューモデルがUXです。車格は欧州的にいうところのCセグメント、すなわちVWゴルフを筆頭とした世界最大の激戦区に位置付けられますが、ご覧の通り車高が高めで最低地上高が適度に確保された、SUVよりも一歩都会的な「クロスオーバー」などと呼ばれるプロポーションが採られています。

レクサスが11月27日に国内発売した、新型のクロスオーバーSUV「UX」

レクサスのお偉いさんと話をしていると、このUXのような成り立ちはもはやSUVだの何だのとカテゴライズする時代を過ぎて、新しい世代のメジャーな乗用車像として捉えるべきだろうという想いを抱いていることが伝わってきます。街乗りにもピッタリのサイズにして、乗り降りしやすく見通しやすい高さという機能の利がそのロジカルな理由なのでしょう。

だったら既存車の車高を上げればいいだけのこと……という話に至りそうなものですが、UXの開発ではその機能に付加される独自性が開発のポイントとなったようです。

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