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投資のキホン 日経平均を知る

「除数」で保つ連続性、五輪イヤーに70周年 株式投資の超キホン「日経平均」を知ろう!(6)

2018/12/5

話を単純化した例で考えてみましょう。A社の株価が800円、B社は1000円、C社は1800円とします。いずれもみなし額面は50円です。3銘柄の株価合計は3600円となり、単純に3で割った平均は1200円です。ただ、ここでC社が1株を1.2株にする株式分割を実施したとしましょう。するとC社の株価は理論上、1500円になると考えられます。改めて算出した3社の株価合計3300円を3で割ると平均値は1100円です。算出に株式分割というテクニカルな要因が影響し、見た目の平均値は下がった、という結果になっています。

市場の動きをきちんと反映するには「株式分割をしても平均値が変わらないように工夫をすること」が重要です。では、平均値が1200円のままにするにはどうすればいいのでしょう。そこで着目するのは分母、すなわち割る数(除数)です。C社の株式分割後の3社株価の合計は3300円でした。C社の株式分割前に算出した平均値1200円を維持するため、割る数は3300÷1200で計算して求めます。すると2.75という数字が出てきます。これが新しい除数となります。株式分割によって、平均を出す際の除数は3から2.75に低下したのです。

銘柄入れ替えの影響も除数で調整します。先ほどの例でみてみましょう。

10月の入れ替えで古河機械金属を除外しサイバーエージェントを採用した結果、除数は上昇した(写真はAbemaTV)

株価800円のA社を除外し、代わりにD社が採用銘柄になったとします。D社はみなし額面が50円で、株価はA社より高い2000円と想定します。B社の株価は1000円、C社は1800円でしたから、入れ替えた後の3社の株価合計は4800円となり、単純に3で割れば1600円です。A社、B社、C社の株価合計から割り出した平均値(1200円)から、400円上がりました。ただし、相場が値上がりしたのではなく、入れ替えの影響による上昇にすぎません。平均値を見る人が見誤らないように、割る数(除数)を調整して、入れ替えの影響を取り除きます。この場合なら、入れ替えた後も平均値が1200円を維持するように、4800÷1200=4を割り出し、除数を4とするのです。

最新の除数は指数の公式サイト「日経平均プロフィル」で確認できる

最新の除数は日経平均を算出した翌日付の日本経済新聞の証券面にある「クローズアップ日経平均株価」に掲載しています。また日経の指数公式サイト「日経平均プロフィル」のトップ画面で、日経平均の右隣にある「もっと詳しく」をクリックすると、やはり除数を確認できます。

2018年11月27日現在の除数は26.993です。225からずいぶんかけ離れていますね。算出当初、除数と銘柄数は同じでしたが、約70年の歴史の中で相次ぐ株式分割や銘柄の入れ替えなどによって、長いスパンでみると除数は小さくなってきた、といっていいでしょう。

なお最近では10株を1株に併合する、といった大幅な株式併合をする例が相次いでいます。日経では2005年6月以降、大規模な株式併合や分割の場合、除数ではなくみなし額面の変更で指数の連続性を保つようにしています。

さあ、前回と今回は日経平均の算出方法を詳しくみてきました。日経平均を知る重要なポイントなので、もう一度おさらいします。日経平均は構成銘柄のみなし額面で換算した株価の合計を分子に、そして分母に除数を置いて計算した数字です。相場を見誤ることがないように、株式分割や株式併合、銘柄入れ替えの影響を除く工夫している株価指数なのです。

(インデックス事業室 遠藤繁)

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