写真はイメージ=PIXTA運用益非課税が魅力のNISA(少額投資非課税制度)。“優待投資”でも、年間120万円の枠はしっかり活用したい。NISAで買うのにお薦めの銘柄を桐谷広人さんに教えてもらった。
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どうも、桐谷です。株式投資で年末までにやっておきたいのが、NISAの投資枠(年間120万円)の消化です。売却益や配当に税金がかからず、有利に投資できる枠を余らすのはもったいないですからね。
今回は、NISAで買うのにお薦めの銘柄をピックアップしました。選定の基本条件は「複数銘柄に分散しやすいよう、投資金額が20万円まで」「配当が良く非課税メリットを生かせる」の2点。さらに、優待の長期継続保有特典や株価に割高感がないことも考慮して選んだのが表の9銘柄です。
注:2018年11月8日時点。売買単位は全て100株。同内容の優待が年2回ある場合、1回分の内容を表記使い勝手がいい金券優待やカタログギフト優待の銘柄が、10月以降の相場調整で値下がりして買いやすくなったので、そうした銘柄を中心に選びました。9銘柄全て100株ずつ買うと、合計投資額は120万円程度になります。
プレサンスコーポレーション(東1・3254)の優待品は、Visaギフトカード。使い切りタイプのカード型金券で、クレジットカード払いに対応している様々な店舗やネット通販で利用できます。金券がもらえて優待+配当利回りが4%程度ある銘柄は、結構な狙い目と言えます。最近は従来の紙のギフト券ではなく、このVisaギフトカードを優待で導入する企業も増えてきました。紙のギフト券と比べて、使える場所が圧倒的に多いのがメリット。半面、カード残高を確認するのに、専用サイトにアクセスするのが少し面倒なところです。
QUOカードの優待で利回りが高めなのは、アイナボホールディングス(JQ・7539)、スズデン(東1・7480)、丸八証券(JQ・8700)。スズデンと丸八証券は3年以上継続保有で相当額がアップし、NISAで長期保有すれば利回りがより高まります。
アイナボHDは、今回取り上げる優待を探している時に新たに見つけた銘柄。私の2018年のNISA枠もまだ残っているので、この銘柄は有力候補ですね。
そういえば先日、QUOカードの発行企業の社長さんと対談する機会がありました。株主優待でQUOカードを出している上場企業は、現在400社近くもあるとのこと。個人株主を増やしたい企業にとっては、採用しやすい優待品なのでしょう。自社のオリジナル図柄も入れられますしね。期限がないし、場所を取らないし、私にとってもありがたい存在です。
■カタログギフトもうれしい
PLANT(東1・7646)の優待は、自社店舗(ディスカウントストア)で使える買い物券または図書カード。全国で使える図書カードが便利ですが、店舗が近くにあるなら買い物券でもOK。特に条件なく、額面分を全て支払いに充てられるので使いやすいです。
桐谷広人(きりたに・ひろと) 69歳。元プロ棋士(七段)。1984年の失恋を機に株式投資を始める。現在800以上の優待銘柄を持ち、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒やされる人柄も人気の理由新晃工業(東1・6458)も図書カードの優待がありますが、狙いたいのは1年以上継続保有でもらえるカタログギフト。100株以上の場合、相当額は図書カードの3倍にアップします。食品や雑貨などの選択肢があって、私は今年、メロンをもらいました。
カタログギフトの優待では、NECキャピタルソリューション(東1・8793)にも注目。専用サイトで商品を選ぶ方式で、1年以上継続保有すると相当額が5割アップします。申込期限は12月28日。31日じゃないのが注意点で、私は前回、うっかり期限を過ぎてしまいました。数日後に会社に電話したところ、改めて対応してくれることになりホッとしました。期限後は一切受け付けないという会社も多い中、個人株主に優しい会社でよかったです。
焼き菓子など、兵庫県の物産品がもらえるのはMORESCO(東1・5018)。高配当、長期継続保有特典ありということで、やはりNISA向きです。
9月に上場したナルミヤ・インターナショナル(東2・9275)は優待がない銘柄ですが、現状の公募価格割れが今後も続くようなら、株価テコ入れのために優待を新設する可能性が高いとみています。それまで、配当をもらいつつNISAでじっくり持っておくのが一つの手ですね。
■12月の権利確定銘柄
では最後に、ブログ「株主総会お土産日記」が人気の株主優待好き主婦投資家mtips氏が厳選した「2018年12月に入手できるお得銘柄」を紹介しよう。2018年12月中に割当基準日を迎える銘柄だ(なお、2018年12月末が割当基準日の場合、優待を得るための最終売買日は、12月25日になる)。銘柄選択の際の参考にしてほしい。
注:2018年11月8日時点。売買単位は全て100株。同内容の優待が年2回ある場合、1回分の内容を表記(日経マネー 小谷真幸)
[日経マネー2019年1月号の記事を再構成]

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)
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