日本も新卒採用よりジョブ型雇用へ 就社意識改めよう経団連 労働政策本部長の正木義久氏に聞く

例えば、金融業界では保険料率や危険率を算出するアクチュアリーや、計量的な分析を専門とするクオンツといった職種を明示して新卒者を採用する会社も増えている。こうした職種で採用されれば、入社時から自分の能力を発揮しやすい部署で働くことも可能になる。企業と個人の双方にとって望ましい採用の形といえるだろう。

一方、変化の激しい時代には「先を見通すための幅広い教養、いわゆるリベラルアーツを身に付けるべきだとの意見もある」。文系理系にかかわらず、歴史や哲学、文化、数学、情報科学などの基礎教育を一段と拡充することも大学には求められる。

より早い段階で職業観を養う必要

学生にとってこれまでの就職活動は、まず希望する会社に入るのが最優先で、自分の適性を見極めたり、専門能力を磨いたりするのは入社後でいいという考え方が底流にあった。企業側が採用の段階で専門能力を見極める方向にかじを切ったとしても、大学の4年間だけで学生が「自分の一生の仕事はこれだ」と決めることは難しい。ただ、今後は「より早い段階で職業観を養うことが求められるのは確かだろう」という。

自分のキャリアは自分でつくる「キャリア自立」の考え方が浸透すれば、副業や転職を希望する個人も当然増えてくる。これまで経団連は社員の定着率の引き上げを重視しており、転職を奨励するような政策は提言してこなかった。ただ、新卒一括採用のあり方を議論する政府の未来投資会議では、中途採用や終身雇用も含めて、日本型雇用のあり方全般を見直していく予定だ。中西会長もメンバーに入っており、経団連は積極的に議論に参加していくことになる。

「日本型雇用の強みを生かしつつ、時代に合わせてどうモデルチェンジしていくか」。就活ルール見直しを第一歩とし、どこまで議論を深められるか注目される。

(村上憲一)

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