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家庭科受けた? 育児のパパスイッチが入りにくいワケ

なぜ息苦しい? 日本の「仕事と子育て」両立(4)

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NIKKEI STYLE

男性の子育て意識の目覚め=「パパスイッチ」はどのようにして発動するのか。意識を促す教育を受けているか、例えば「家庭科を男女共修で学んだ世代かどうか」もあり得る要因だという。子育てアドバイザーの高祖常子さんが考える。

育児を全くしていない男性は7割

総務省の「社会生活基本調査」(2016年)によると、男性が育児や家事をする割合は増えているものの、6歳未満の子どもを持つ共働き世帯では育児を全くしていない男性が7割近いという結果が出ている。

第2回の記事「男性も産休 フランスの男は2週間でパパになる」で触れたパパスイッチ(パパ意識の目覚め)。日本の男性はパパスイッチが入るのが遅い、というコメントがその後も多数寄せられた。

「生まれる前から(夫は)『ウンチのほうのオムツ替えはできない』と言っていました。でもあるとき、夫が1人で子どもを見ていた際にそんなことは言っていられなくなり、そこからパパスイッチが入ったような気がします」

「夫のパパスイッチが入ったのは息子が2歳を過ぎて、意思疎通ができるようになったころ。接する時間が少ないからか、意思疎通ができない赤ちゃんの時期は苦手な様子です。第2子が生まれるときも『たぶん2歳くらいまでかわいいとは思わないと思う』とキッパリ言っていました。現在は4歳の息子を溺愛してくれているのでホッとしています」

「息子が4歳くらいの時。親子で料理していて、トンカツにパン粉付けをしたときに息子が『できた!』って振り向いたんですよ。その瞬間にパパスイッチが入りました」

パパスイッチが入りやすいか、それとも入りにくいか。以前の記事では、フランスで一般的になっている「男性の産休」が、パパスイッチの発動に影響しているであろうと考えた。それ以外に、可能性のある要因は何だろうか。

特に家事への参画意識については、「家庭科を中学・高校で男女必修として学んだかどうか」が影響している可能性がある。大阪教育大学教育学部 教員養成課程家政教育講座の小崎恭弘准教授に聞いた。

家事参加意識は家庭科の男女必修を境目に変わる

「高校の家庭科は94年から男女共修になりました。それ以前は女子だけが必修で、いわゆる『家族の生活を支える良妻賢母』のための科目というイメージでした。しかし男女共同参画社会の到来や、男性・女性ともに自立した生活者として生きることを目指す社会認識の高まりで、現在は男女ともに家庭科を学ぶことになっています」(小崎准教授)

小学校の「家庭」は5年・6年生の男女必修として47年に始まったが、中学校の「技術・家庭」は62年から男子は「技術」、女子は「家庭」と別々に授業を受けるようになった。81年からは男子が「家庭」の一部、女子が「技術」の一部を学ぶ相互乗り入れが始まり、93年からは男女必修となった。高校は前述したように94年から男女共修になっている。80年代以降生まれの「家庭科必修世代」のパパたちにとって、家庭科や家庭はそれ以前より身近な存在になっているといえるだろう。

実際に、「既婚男性の『家事シェアリング』に関する調査結果」(花王株式会社、2015年)によると、家庭科共修世代と別修世代では家事に関する取り組みに違いが見られた。以下が調査で明らかになったポイントだ。

(1)34歳以下(15年時点)の家庭科共修世代の家事シェアリング率は、浴室掃除が8割、リビング掃除が7割、トイレ掃除が6割、洗濯6割と高い。専業主婦の夫も約8割が掃除をシェアしており、別修世代と差がある。

(2)共修世代の夫は、家事をするのは「当たり前」。妻が専業主婦でも、負担が偏らないように家事をシェアしている。

(3)お家のことは、妻と一緒にシェア。家事はもちろん買い物も。一緒に日用品の買い物に行き、2人で選ぶスタイルが出現。

では、子育てについてはどうだろうか。「子育て意識が、家庭科男女共修の前後で変わっている」というデータは、残念ながら見つけられなかった。そこで、家庭科の教科書について実際に情報を集めてみた。

家族や子どもとのかかわりについてかなり広い項目にわたって掲載している教科書もみられる。ある高校の教科書では、「自分らしい生き方と家族」「子どもとかかわる」という章や、「子どもを知る」「からだの発達」「心の発達」「子どもと遊び」「親になることを考えよう」などの項目が並んでいる。

小崎准教授は、「男性の子育て意識変化の原因を一概に特定するのは難しい」としながらも、大きく次の5つを指摘する。

・男女共同参画意識の浸透

・男女の役割意識や規範の低下

・共働き家庭の増加とライフスタイルの変化

・子育て環境の変化による家族中心の育児スタイル移行

・父親の育児への積極的関心の高まり

「子どもを産み育てる行為は、家族を作り、育てるということ。その根底にあるのは家族の幸せを作り上げるということ。幸せを作ることに父親や男性は不要ということはないはずです。家族を作り、幸せになることは誰もが享受すべきものです」(小崎准教授)。

とは言え、子どもを産み育てるためにはある程度の知識や最低限の技術の習得、親になるという意識を持つことも必要で、そうした「知識・技術・意識」を学校教育の中で学ぶ必要がある、と小崎准教授は言う。「それは単に『親になるため』ではなく、親にならなくても、次の世代を育てるという社会全体での子育て意識の醸成にもつながります」

◇  ◇  ◇

筆者が理事をしているNPO法人ファザーリング・ジャパンは、父親になる男性向けにパパスクールなどを全国で開催してきた。現在は自治体や地域のサークルなどが主体となって開催しており、地域に浸透してきた感もある。

しかし、パパスクールはまだ任意受講という印象が強い。地域や産院で開催されている母親学級・両親学級などとは別扱いの、単発実施になっているところがほとんどであるし、自治体の両親学級にパパの心得的な内容を盛り込んでいる自治体はまだ少ない。

冒頭の「6歳未満の子どもを持つ共働き世帯で育児を全くしない男性が7割近い」という意識を変えるためにも、学生時代、そして妊娠中に、子育てやパートナーシップや家族について学ぶのはとても重要なことだと思う。そこが押さえられれば、ママたちの憂鬱も少し軽減されるのではないだろうか。

高祖常子
 子育てアドバイザー、育児情報誌miku編集長。資格は保育士、幼稚園教諭2種ほか。リクルートで学校・企業情報誌の編集に携わり、妊娠・出産を機にフリーに。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。著書は「感情的にならない子育て」(かんき出版)ほか。3児の母。

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