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横浜市立南高校の三浦昌彦校長は「生徒が自分で自分の生き方を見つけることが大切」と話す

横浜市立南高校の三浦昌彦校長は「生徒が自分で自分の生き方を見つけることが大切」と話す

神奈川県内の中高一貫教育校といえば、栄光学園、聖光学院、浅野学園の「私立御三家」が有名だろう。2018年春、大学への進学実績でこの3校に負けず劣らず注目された公立校がある。横浜市立南高校だ。12年に付属中学を併設し、中1から入学した「1期生」が大学受験に臨んだ結果、有力校への合格者数を大幅に増やしたのだ。生徒の潜在力を飛躍的に伸ばしたユニークな学習法について、三浦昌彦校長に聞いた。

国公立大の合格者数が3倍以上に

18人から62人へ――。今春、同校の国公立大学の合格者数は1年前の3倍以上に増えた。17年はゼロだった東大、東工大へ5人ずつ入ったほか、横浜国大は1人から一気に18人に。早慶、上智など難関私立大も軒並み増加し、「以前とは別の学校かといわれたほど」と三浦氏は目を細める。

公立学校にも中高一貫教育校を増やすという文部科学省の方針のもと、神奈川県内ではまず県立の相模原、平塚の2つの中等教育学校が09年に開校した。横浜市立南は県内では3番目だったが、人口の多い横浜市内では初とあって保護者の関心は非常に高く、1期生の中学入試の倍率は10倍を超えた。

今春の合格実績が伸びた要因の一つは、難関をくぐり抜けてきた生徒の潜在能力がもともと高かったことが挙げられるだろう。だが、三浦氏は「それ以上に当校独自の6年間の学習カリキュラムの効果が大きい」と強調し、3つの特色を挙げる。

最も特徴的なのが、中学の英語の授業だ。名付けて「ラウンドシステム」。通常は1年間かけて教科書を始めから終わりまで順番に学習していくが、同校は2~3カ月で教科書を一通り学ぶというサイクルを1年生は5回、2~3年生は4回繰り返す。ただ単に同じことを繰り返すのではない。それぞれ異なるやり方で学ぶのがミソだ。

例えば1年生の場合、1回目はCDなどで教科書の英文を何度も聞き、ストーリーの概要をつかむ。2回目は英文を聞きながら文字を追い、音と文字を一致させる。3回目でようやく音読。4回目は英文の一部を空欄にしたワークシートを使い、当てはまる単語や熟語を考えながら音読。5回目は教科書の内容を自分の言葉で表現する。

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