国公立合格3倍に 横浜市立南高、ユニーク英語で飛躍横浜市立南高校の三浦昌彦校長に聞く

「この方式の最大の効果は、生徒が英語をものすごく好きになること」と三浦氏。そもそも、この方式を導入した背景の一つは、中学1年では音と文字の一致でつまずく生徒が多いという問題意識だった。そこでまずは、たっぷり音を聞かせてから段階を踏んで表現させようという考え方だ。

生徒が議論し合う授業を心がける=横浜市立南高校提供

では、中学3年間で実際に英語力は向上したのか。実は高校1年にあがった段階では、単語力や文法力の習得はやや遅れていたという。しかし、受験を意識した読み書き重視の授業に慣れてくると、吸収は早かった。会話力と理解力は身に付いているので、それがどんな文法に基づいているかを確認すればよかったからだ。高3のセンター試験では全学年(高校から入学した生徒を除く)の英語の平均点が200点満点中、自己採点で8割を超えたという。

「親しませる目的で始めた英語の授業が、結果的に受験用の学力向上にもつながった」というわけだ。さらに、英語力が向上したことで、他の科目の勉強にも時間が割けるようになった。これが進学実績の大幅な改善に結び付いたと分析する。

数学は答えの1行目が書けるように指導

2つ目の特色は数学。もともと数学の教師だった三浦氏がいまの担当教師に口を酸っぱくして話しているのが「1行目が書ける生徒をつくってほしい」ということだ。どういうことか。

東大などの難関校の入試には証明問題が必ずと言っていいほど出る。教師はどうしても数をこなしたくなるため、どのように証明していくかの入り口を教えがちだ。しかし、「それでは数学が暗記科目になってしまい、考え抜く力が身に付かない」。だから1行目を自分で考えさせる授業をしてほしい、という意味だ。

20年度に始まる新しい大学入学共通テストでは、まさに暗記が通用しない考えさせる問題が中心になる。「入り口はたくさんある。最後に頂上にたどり着けばいい」。この考え方は数学だけでなく、他の授業でも根底に置いているという。

3つ目の特色は、こうした個々の科目を学習する土台となる知識欲を伸ばすことに力を入れる点だ。まず中学では「総合的な学習の時間」を活用。1~2年生では情報収集やディスカッションの方法を学んだうえで、グループでウェブページをつくったり、合唱コンクールで歌う歌詞をイメージした芸術作品をつくったりする。

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