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SPORTSデモクラシー

Jリーグチームの地域貢献は本当か 自立してこそプロ ドーム社長 安田秀一氏

2018/11/30

英国のプレミアリーグは米国型プロリーグの運営スタイルを採り入れている(2018年11月、ロンドン)=ロイター

米スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店、ドームで社長を務める安田秀一氏の連載コラム。前回(「ZOZOも入りたいプロ野球 ガバナンスが生む磁力」)は、ガバナンスが有効に機能することでプロスポーツリーグの価値が飛躍的に向上することを指摘し、米メジャーリーグ(MLB)をガバナンスが最も進んだ「バージョン3」としたら、日本のプロ野球は「バージョン2」くらいまで到達していると評しました。ではJリーグやバスケットボールのBリーグはどうでしょうか。

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率直に言って、Jリーグは「バージョン1」、始まったばかりのBリーグは、それ以前の段階だと思っています。

Jリーグのサポーターの皆さんにおいては異論、反論、色々なご意見があるかと思います。そこは理解しつつ、今回はJリーグの抱える矛盾や課題について、海外事例と比較して、問題提起させてもらおうと思います。このコラムのタイトルは「デモクラシー」ですので、開かれた議論のきっかけになればと思っています。

ドーム社長の安田秀一氏

Jリーグに関して僕が感じている一番の課題は、「何を目標にしているのか分からない」ということです。別の言い方をすれば、「誰のためにJリーグはあるのか」。チームやサポーターのためなのか、日本サッカー協会のためか。地域に貢献するためか。国民の娯楽なのか。最も優先したいことが何なのかが見えてきません。

Jリーグはプロリーグとして1993年に始まりました。その時に掲げた未来像は欧州型のクラブチームを念頭に置いたものでした。欧州のクラブというのは長い歴史を持ち、地域に無くてはならない存在です。何より税の優遇の観点からも、公共財産としての位置付けが明確です。日本でいえば、地域ごとに必ずあったお米屋さん、あるいは郵便局のような、半官半民的な公共サービスに近い存在だと思います。

日本にはこうしたクラブの文化がもともとあったわけではありません。日本で地域スポーツを行う場所・機能としては、学校がその役割を担ってきました。欧州のクラブのようにスポーツを生涯楽しめる環境を整えていくことが目的なら、地域の学校と連携し、既存施設の最大有効活用を目指すのがベストでしょう。

■草の根チーム、地域に過大な負担

そもそも、Jリーグは、リーグの掲げた理念とは無関係に、大企業のもつ有力社会人チームがそれぞれ株式会社としてプロ化を果たしてきました。地域の公共財であるという前提の欧州型のプロリーグを目指しながら、実態は似て非なるものだったわけです。

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