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北極の研究基地ニーオルスン 美しく和やかな日常

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ナショナルジオグラフィック日本版

ノルウェーのスバールバル諸島にある小さな集落、ニーオルスン。ここより北には北極点くらいしか地図に描かれていない極北、北緯79度にある。ただ、北極圏の他の拠点とは違って、ニーオルスンは商業漁業や船舶運航のハブではない。ここは、科学者たちが暮らし、学問的探究を支える場所なのだ。彼らの日常を、イタリア人写真家がとらえた。

◇  ◇  ◇

スバールバル諸島は、氷河と山とフィヨルドが広がり、ホッキョクグマやホッキョクギツネ、セイウチやクジラが生息する自然豊かな場所だ。しかし、人間が暮らす地としては地球最北だろう。

ニーオルスンは1990年代から、北極圏での調査をしようと世界中から訪れる研究者たちのため、研究拠点およびコミュニティとしての役割を果たしてきた。スピッツベルゲン島にあるこの基地は、「ハウス」と呼ばれる複数の研究ステーションからなる。

ハウスは国ごとに分かれているが、「AWIPEV」だけは別でドイツとフランスが共同利用している。「AWIPEV」という呼び名は、両国の研究所の名称、つまりドイツのアルフレッドウェゲナー極地海洋研究所(AWI)と、フランス極地研究所(IPEV)の略称をつなげたものだ。

撮影したイタリアの写真家パオロ・ヴェルゾーネ氏が、初めてニーオルスンを訪れたのは、フランスの「ル・モンド」紙の仕事だった。この場所の歴史、そして科学者たちの和気あいあいとした雰囲気に惹かれ、以後2回再訪して、彼らの様々な生活風景を撮影した。

ヴェルゾーネ氏によれば、ニーオルスンが魅力的な理由の一つは過去の歴史にある。村はかつて、ロアール・アムンセンやウンベルト・ノビレといった伝説的な探検家たちが北極探検に臨む際のスタート地点だった。20世紀前半には石炭の採掘地となったが、1963年、2つの大きな事故が起こり炭鉱は閉鎖。その後、炭鉱を所有していたキングスベイASという会社が、現在のような研究拠点に作り変えることを支援した。

今日、それぞれの研究センターは、各国の極地研究所に所属する研究者が利用するラボおよび居住スペースとしての役割を担っている。研究者たちの専門分野は、物理学、雪氷学、海洋生物学、化学など様々だ。

研究チームの調査は1年のうちの特定の期間に行われることが多いため、ニーオルスンに滞在する研究者は日々入れ替わる。めまぐるしく変わる滞在状況を管理するため、各センターにはリーダーが1人おり、日常的な物資の管理や基地のメンテナンス、そして滞在者の安全管理などを統括している。基地に常駐しているのは30人だけで、その多くがサポートスタッフだ。ピーク時でも滞在者は200人に満たない。

食料は年に何度かコンテナ船が運んでくる。食堂は1つで、全員が同じ場所で食事をする。物資の運搬方法はスノーモービルと犬ぞりが中心だ。さらに滞在者は必ず、半日かけてホッキョクグマに関する安全講習を受けなければならない。ホッキョクグマは好奇心が旺盛で、ハウスのそばまでやってくることがある。

基地生活には持続可能であることのほかにも、守らなくてならないことがある。例えば、電波は発信できない。つまり、携帯電話を使うことは許されない。これはデータ収集に影響を及ぼしかねないからだ。インターネットに接続するには有線を使うほかない。ほかにもニーオルスンにはルールがあり、子供の来訪も禁止されている。

「何もない、電波も通じない場所に、20軒のハウスが建っているところを想像してください」と、ヴェルゾーネ氏は携帯電話から解放されたことを喜ぶ。

それでも僻地のニーオルスンにも楽しみはある。土曜日ともなれば、研究者たちが基地のバーに集まってのんびりと喉の渇きを癒す。調査で疲れた1日の終わりには食前酒やトランプをたしなみ、その日の出来事を共有する。

とはいえ、調査結果までシェアするのだろうか? もちろんだ、とヴェルゾーネ氏は答える。ニーオルスンの国境を越えた仲間意識には、特筆すべきものがあるという。「世界中がこの場所のようになれば、素晴らしいと思います」

次ページでも、極北の研究者たちの姿を、ヴェルゾーネ氏の写真でお届けしよう。

(文 Catherine Zuckerman、写真 Paolo Verzone、訳 桜木敬子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年11月11日付記事を再構成]

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