マネー研究所

カリスマの直言

ゴーン・ショック 今こそ渋沢栄一の理念を(渋沢健) コモンズ投信会長

2018/12/3

日産自動車は「ゴーン・ショック」によって失った信頼の回復が急務だ
「渋沢栄一は経営について『理屈』『理論』だけでなく、『理念』『倫理』にかなうことを提唱していた」

「現代における事業界の傾向を見るに、悪徳重役なる者が出(い)でて、多数株主より委託された資産を、あたかも自己専有のもののごとく心得、これを自(じ)ままに運用して私利を営まんとする者がある」

「それがため、会社の内部は一つの伏魔殿として化し去り、公私の区別もなく秘密的行動が盛んに行なわれようになって行く」

「真に事業界のために痛嘆すべき現象ではあるまいか」

■「論語と算盤」の記述に不正容疑との共通点

これは今から100年ぐらい前に出版された渋沢栄一の思想や精神を伝える代表作「論語と算盤(そろばん)」の一節だ。驚くべきことに現在、「ゴーン・ショック」として世の中を騒がせている日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の不正容疑にも多くの共通点がある。

「論語と算盤」は十章にまとめられている栄一の講演集であり、上記は「算盤と権利」という章の「合理的の経営」という項目に記述されている。ここでいう「合理的」とは「理」に「合う」経営を指していると考えられる。

栄一は「理屈」「理論」だけでなく、「理念」「倫理」にかなうことを提唱していた。前者がゴーン元会長が得意としていた目的に向かって無駄なく効率的に行う経営とすれば、後者はより志の高い経営といえるだろう。

ベンチャー子会社を設立させて、個人的な利用のために複数の高級住宅などに多額のお金を費やすことは栄一が「痛嘆」と評した「公私区別がない秘密的な行動」である。

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