Men's Fashion

ロジェ・デュブイ 日本はインスピレーションの源

時計

商品戦略ディレクター グレゴリー・ブルタン氏に聞く

2018.11.25

スイスの高級時計メーカー、ロジェ・デュブイが存在感を増している。1995年創業の若いブランドだが、腕時計の心臓部、ムーブメント(駆動装置)から自社一貫製造する「マニュファクチュール」として地位を確立。2016年には東京・銀座の並木通りに日本初の旗艦店をオープンさせるなどして、国内でも認知度を高めている。

近年はイタリアの高級車メーカー、ランボルギーニやタイヤメーカーのピレリなど、異業種とのコラボレーションも積極的に展開。来日した商品戦略ディレクターのグレゴリー・ブルタン氏に商品開発の考え方などを聞いた。




「日本には少なくとも年に1度は訪れている。日本の文化、日本の顧客のニーズを知ることがインスピレーションを与えてくれる」とブルタン氏は話す。日本人のクリエイティビティ、ストリートアートなどが商品開発の刺激になるのだという。

「日本人の持つ哲学はロジェ・デュブイの哲学に近い」と語るブルタン氏

ロジェ・デュブイの特徴を尋ねると「哲学を変えないこと」と答えた。まずは高級時計ならではの高い品質、さらに他ブランドとは一線を画したデザイン性、そして、時代を反映した現代性――これら3つの要素が相まって、ロジェ・デュブイならではの独創性を形づくるのだという。

ロジェ・デュブイはトゥールビヨン(重力による誤差を補正する機構)など、高度な技術が求められる「コンプリケーション(複雑機構)」の開発にも意欲的。ただ「いろいろとアイデアはあるが時間が足りない」とも。それでも19年には新たなムーブメントの発表を予定しているという。

日本市場については、「日本のマーケットは成熟している。日本の消費者はロジェ・デュブイを深く理解している」として、重視する考えを強調。「日本人の持つ哲学はロジェ・デュブイの哲学に近い」とも語った。

「エクスカリバー アヴェンタドール S」の日本限定版。左から、水、地、風、火、空、それぞれのバージョン

実際、日本向けに独自の商品も用意。主力コレクション「エクスカリバー」の18年新作、イタリアの高級車メーカー、ランボルギーニとのコラボレーションによる「エクスカリバー アヴェンタドール S」では、日本限定版を投入。水、地、風、火、空――といった自然の五大要素をテーマに、文字盤に漢字をあしらうなどして日本文化を表現した。

さらにブルタン氏は「日本の先端技術にも興味がある」とも話した。19年に発表する新作では、日本のサプライヤーとの協業を予定しているという。

ブルタン氏は「日本の先端技術にも興味がある」と話す